魔法とその起源
魔法について
バハラムの生きる2200年代時点。魔法の技術は確立されているとは言い難い。
過去に魔女の国クヤマガツが存在していたが、彼女達は各地で異端と蔑まれたが故に身を寄せあって細々と生きていた。
戦争に巻き込まれ、故郷を滅ぼされた魔女もいたが、クヤマガツも同じ運命を辿った。
技術の発展を望んではいたが、魔法を持たぬ人々に恐怖を抱いていた魔女達が協力的になる望みは薄かったために、アヴル帝国を始め、ミロク国やミズランブル国もクヤマガツのことは思考に取り入れなかった。
クヤマガツが滅んでから数年後、ホーガル大陸北のダラシュ蛇街にアスノロ街(地区)という区域が生まれた。
100年以上前より存在は確認されていた”アスノロの大魔女”。その4代目がその名を保持する証、ハマドゥシーラという魔物を絶滅に追いやった祝いだった。
彼女に魔法の才はなかったが、誰よりも魔法に勤勉だった。
他大陸より観光に来ていた人物など、珍しいもの見たさで学びに来る生徒が現れ、次第に彼女の本名は世に広まった。
アスノロリリス・イア。彼女の功績は3つ。
1つ、あらゆる生物には魔力を宿す分子、俗に言う魔法を放つための力があり、それは半永久的に増殖すること。基本的には増えては消えゆくが、魔法を放つ瞬間に活性化したそれが数倍に増え、血中魔力濃度を濃くする要因になると発表した。
この力は伝承により英雄の福音とされるため、英雄レイガの名に因んでイガシロンと命名した。
2つ、イガシロンは体外に出ると血液と分離し結晶化し、石のように固くなる。
彼女の研究の延長線上で起きた事故が原因だったが、彼女の3つ目の功績に多大な影響を与えた。
3つ。魔力量を増幅させる飲料。イアシローゼの開発に成功した。
彼女は過去の経験から魔法の発動には感情の起伏が大きく関係していると提唱している。それを裏付けたのは悪魔の存在と本人も言っている。
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ここからは起源について。
魔法が確認されたのは天変地異の大災害以降。
魔法と定義されたのは、英雄の居た時代に刻み文字で文献が残されていたから。
ー英雄の放つ一種の技は超常地味ており、相対する悪魔と相違ない摩訶不思議な現象を引き起こしているー
ー英雄が去った、ハ・ルは取り憑かれたように彼女の真似事をしている。いつか退けられる恐怖に、その技を行使出来るだろうかー
エスティールの遺跡から発見されたこの一文により魔法というものが一般化した。