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ニノウデの世界(アルバム「スピッツ」1曲目)歌詞解読

気が向いたときにスピッツの歌詞の解読をしていこうと思います。

まずはデビューアルバム「スピッツ」の一曲目「ニノウデの世界」をいってみます。


歌詞はこちらです。別画面で開いたままお読みください。

https://www.uta-net.com/song/19282/


なお、ここでは説明を容易にするために、歌詞の語り手をマサオ、二の腕の持ち主である「君」をムネコと呼ぶことにします。



■マサオにとってムネコはじめての女性である


「冷たくって柔らかな」「ああ君の そのニノウデに」とあるように、冷たく柔らかな二の腕を持つムネコは間違いなく女性です。そして、二の腕の冷たさと柔らかさに驚くマサオは間違いなく男性です。


さらに言えば、マサオにとってムネコは初めての女性です。なぜなら女性の二の腕はムネコに限らずだれでも冷たく柔らかいのに、そのことをムネコの二の腕の特徴に挙げているからです。


「ニノウデ」とカタカナ表記なのはフェティシズムによるものです。「二の腕」と書くとそれはあくまで体の一部分という意味にしかなりませんが、「ニノウデ」とカタカナ表記することで、それは体からは切り離された独立した意味を持ちえます。吉良吉影が女性の手を切り離して愛撫するのと同じです。



■二人はアパートの隣同士である


「窓から顔出して 笑ってばかりいたら」とあることから、舞台がベランダがない住まいであることは確定です。


ここから考えられる可能性は、

①マサオは二階の窓から外にいるムネコと話していた、

②マサオとムネコは隣同士で、窓から顔を出して話していた、

の二つです。


ですが①の場合は、窓から顔を出す必要はありません。顔を出しても出さなくても声の伝わり方は変わらないからです。いっぽう②の場合は、顔を出さないと話ができません。よって二人は隣同士で確定です。



■二人はプライバシーの確保が困難な木造モルタルアパートの隣同士である


ふつう家の鍵は常にかけておきますが、「二人でカギかけた小さな世界」とあることから、舞台は普段は鍵をかけない部屋であることが分かります。そして「小さな世界」とあることから、一間で確定です。


したがって舞台は「男おいどん」にあるような、共用玄関で靴を脱ぎ、共用廊下を歩いて自分の部屋の引き戸を開けて中に入る昔ながらの下宿か、「ハチミツとクローバー」にあるようなボロボロの学生寮かのどちらかです。


いずれにしても舞台はプライバシーがほとんどない、木造モルタルアパートで確定です。



■ムネコがマサオの部屋に来て誘惑した


では「小さな世界」はマサオの部屋なのか、それともムネコの部屋なのか。それは「思い出してはここでひとり」とあることから、マサオの部屋で確定です。


「かすかに伝わってきて」とは何が伝わったのでしょうか。それは直後の「縮んで伸びてフワリ飛んでった」から分かります。季節はおそらく冬、ボロアパートはすきま風で外にいるように寒い。だからパンツを脱いだマサオのちんちんは寒さで縮みあがっていました。しかしマサオは若いのですぐに勃起します。そして「フワリ飛んでった」つまり射精します。


したがって「かすかに伝わってきて」とは、セックスしたいというムネコの意思がかすかに伝わってきたのだと分かります。



■体を密着させた体位である


「ああ君の そのニノウデに」とあることから、マサオの顔はムネコの腕に包まれていたことが分かります。二の腕の冷たさ、柔らかさを感じながら「寂しく意地悪なきのうを見てた」つまり昨日までの恋に苦しんでいた自分を思い出していたのです。もしムネコが顔ではなく胴体を抱いていたのであれば、マサオはその柔らかさと冷たさを敏感に感じ取ることはできなかったはずです。


そして「しがみついていただけの あの日」とあることから、セックスの間ずっと体が密着していたことが分かります。


ムネコの二の腕に顔を埋め、体を密着させた状態で可能な体位は、正常位か騎乗位かは不明ですが、体を密着させた体位であることで確定です。



■膣内射精した


「タン タンタン ターン それは僕を乗せて飛んでった」は何を意味しているのでしょうか。歌詞の流れから言えば、「タン タンタン ターン」はマサオが腰を振っていることの擬音であることが分かります。「それ」はもちろん精液、「僕」はマサオの遺伝子です。ここで「飛んでった」とありますが、もしコンドームをつけていれば精液が飛んでいくことはありません。よってゴムなしの膣内射精で確定です。マサオはひどい奴ですね。



■マサオはムネコの妊娠を望んでいた


「おなかのうぶ毛に口づけた」のはなぜでしょうか。それはマサオが妊娠を望んでいたからです。



■勝手に中出しされてムネコは怒った


「思い出してはここで ひとり」とあることから、二人が分かれたことが分かります。そして思い出すのは日々ではなく「しがみついてただけの あの日」つまり初めてセックスした日です。だから二人はあの日できっぱり別れたことが分かります。そしてマサオは未練たらたらであることから、振ったのはムネコで確定です。


なぜムネコは自分から誘っておきながら、セックスを一度しただけで振ったのでしょう? それは明らかです。マサオが勝手に中出ししたからです。



■マサオは引っ越した


しかし隣同士で険悪になったらさぞや住みにくいでしょう。「なんにもないよ 見わたして」とあることから、マサオはこの日が引っ越しの日で、荷物を全部引越し屋さんに渡し、空っぽの部屋で大家さんが確認に来るのを待っていることが分かります。



■最後に横になってオナニーした


「ボーッとしてたら何故 固まった」とありますが、「固まった」のはもちろんマサオのちんちんです。「何故」とあるように、勃起の理由はマサオにもわかりません。だいたい、ちんちんは理由もなく勃起するものなのです。


「タン タンタン ターン」と再び腰をふる擬音が出てきますが、もちろんマサオは一人です。したがってここから、マサオがあの日のセックスを妄想していることが分かります。妄想したから勃起したのではなく、勃起したから妄想したのです。


「石の僕は空を切り取った」とありますが、「石の僕」とはなんでしょう。ふつうは勃起したちんちんだと思うところでしょうが、こうも考えられます。先の「それは僕を乗せて飛んでった」において「僕」はマサオの遺伝子を指していました。そして「石女うまずめ」という言葉があるように、「石」は不妊を表します。したがって「石の僕」は、ムネコと受精できなかったマサオの遺伝子を表すのだ、という解釈はどうでしょう。ムネコの幸せを考えると、私としてはこのように解釈したいところです。


では最後の「空を切り取った」とはなにか。マサオは窓に頭を向けて寝転がり、窓枠に切り取られた空を見上げたのです。空っぽの部屋にはカーテンもないので、立っていると外から丸見えです。だからマサオはオナニーするために畳に横になったのです。


〈終〉

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