コミカライズ重版!記念!
「セシリア! ケーキ! ケーキを買ってきたんだ!」
「シックス様? ケーキ……ですか?」
「うん。なんだか今日はお祝いをしたい気分でさ」
「お祝い? あ、そういえば、今日は」
シックス様は私のことをじっと見つめるとにっと笑う。
「今日は、僕達が婚約した日だよ。よく覚えていたでしょう?
「本当ですね。ふふふ。お祝いしてくれるんですか?」
侍女に伝えて、お茶の準備を整えてもらう。
私とシックス様は隣り合わせで座ると、侍女には下がってもらい、部屋に二人きりになる。
「婚約のお祝いだなんて、もうすぐ結婚記念日も来ますよ?」
そう伝えると、シックス様はフォークでケーキを一口すくうと私の口元へと差し出す。
「もちろん、結婚記念日は盛大にお祝いするよ。でも今日は二人だけでお祝いしたかったんだ」
「嬉しいです」
「さ、食べて?」
「ひ、一人で食べれますよ?」
「うん。知っているよ? でもセシリアを独り占め出来てるっていう感じがして、食べさせてあげるの好きなんだ」
「……うぅ。はい。恥ずかしいですが……」
「ふふふ。可愛いなぁ。はい、あーん」
「あーん」
パクっとケーキを食べると、シックス様がとても嬉しそうに笑う。
その表情に、これでは恥ずかしくて嫌だとは言いだせない。
「大好きだよ」
「わ、私もです」
優しい瞳で見つめられて、私の心臓はうるさい。
シックス様と結婚出来て私は本当に幸せだ。
「大好きです。ありがとうございます」
そう伝えるとシックス様は顔をほころばせる。
こうやって、一年一年二人の時間を積み重ねていきたいなと、私はそう思ったのであった。
読者の皆様!
ありがとうございます!
ゆずまんじゅう先生が描いて下さったコミカライズ版「悪役令嬢はもう全部がいやになったので、記憶喪失のふりをすることにした」の第一巻が重版決定いたしました!ありがとうございます!
今後もよろしくお願いいたします(●´ω`●)





