表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】コミカライズ重版!〜悪役令嬢はもう全部が嫌になったので、記憶喪失のふりをすることにした~周りの皆が突然王子をディスリはじめました~  作者: かのん
【初期案編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/79

二十話 告白

 セシリアは抱きしめられながら、言えなかったことを告白するならば今だと、呼吸を整えると口を開いた。


「あ、あの、シックス様」


「ん? なんだい?」


 シックスはセシリアの顔が見えるように少しだけ離れると、小首をかしげた。


 ばくばくとなる心臓を抑え、セシリアは意を決して口を開いた。


「わ、私、じ、実は」


「うん」


「記憶喪失っていうのは、嘘だったんです!」


 次の瞬間、まるで時が止まったかのように、しんと静まり返った。


 セシリアは目をつむり、そしてシックスに怒られるだろうかと言葉を待っていた。だがしかし、一向に返事が返ってこない様子に、おずおずと目を開くと、シックスが目を丸くして驚いているのが見えた。


「も、申し訳ございませんでした。最初は、婚約破棄されたのがショックで、それで、もう全部を忘れてしまいたくて、それで、それで、出来心で嘘をついてしまったのです」


「ちょ、ちょっと待って」


「は、はい」


 シックスは目の前に置かれていた紅茶を一気に飲み干すと、大きく息を吐いた。


「セシリア嬢、一つ、聞いてもいいでしょうか」


「は、はい」


 怒られるだろうと、そう覚悟していたセシリアではあったが、シックスからの質問は予想とは全く違うものであった。


「セシリア嬢は、兄上が好きだったのですか?」


「え?」


 突然のことに、何を聞かれているのかよくわからなかったセシリアだったが、言葉を理解し、そして首を横に振った。


「いえ。良き関係でいたいと努力はしていましたし、できれば仲がいい方がいいと思っていましたが、その、ヒューバート様は私に好意的ではありませんでしたし……恋愛感情でいう、好きという感情は、抱いたことがありません」


「よっし!」


 シックスは勢いよくガッツポーズを決めると、嬉しそうにセシリアをぎゅっと抱きしめた。


「だと思いました!」


「え? え?」


「あー。よかった! セシリア嬢が兄上を好きだったなんて、それはそれで腹が立ちますから、本当に、よかったです」


「えっと」


 嬉しそうにシックスは微笑むと、セシリアの髪の毛をなでながら言った。


「いえ、兄上がセシリア嬢は自分のことが好きだったなんだのこうだのと、言い始めたのでね、それが自分的にはすごくストレスで。でも、そうでないとわかってすっきりですよ」


 にこにこと嬉しそうなシックスに、セシリアは慌てた声で言った。


「あ、あの、なぜかヒューバート殿下は私とはそのような関係ではなかったのですが、恋愛関係であったと思われているようでして、あの、私たちは本当に、そのような関係ではないです!」


 シックスはその言葉に嬉しそうに、満足そうに何度もうなずいた。


「うんうん。本当に、よかったよかった」


 ほっとしたシックスはその後ずっとセシリアのことを抱きしめながら頭をなで続け、セシリアとしては嘘をついていたことをお怒られると思っていたため、甘々な雰囲気となったシックスに、頭の中でクエスチョンマークが飛び交うのであった。



 


私は豆腐メンタル。。。きぬごしからいつか木綿くらいになりたい。(*´▽`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズこちらから 一話無料で読めます!

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
― 新着の感想 ―
[良い点] ヒューバートの無茶な要求に応えていたのにセシリアがヒューバートを好きではなかったというのは疑問を感じる。 別に初恋だから価値があるわけでもないし、目が曇ってうっかりクズを好きになったことが…
[良い点] シックス様かわいいです( ´◡` )
[一言] シックスわんこみたい(^^)♡
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ