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Chapter2「出会い、再会、ヌレ」

…ぺろっ


……ぺろん


ぺろっぺろっべろべろべろん!


「やめろぉおおおおお」


誰だ!朝っぱらから人の顔を舐め回す奴は!!


実家ならば飼い犬達が起しにくるのはわかるが今は違うはず!


そう思い上半身を起し、周りを見渡せば木・木・木言ってしまえば森の中だ。


そして先程の顔面洗いの刑を施した犯人は、現在俺の膝の上にチョコーんと座っている。


手のひらサイズ、いや産まれたばかりと言っても過言ではないサイズの…犬種がわからん。


モフモフのそれ、銀色の毛に薄らと青が混じったような犬。


犬と言ったが野外にいるのなら狼なのでは…?


それにしても人懐っこい、見ず知らずのそれも寝ている人間の顔を舐め回すとは。


そんなことを考えていたら子犬(狼かわからないためとりあえず犬とする)は膝から転げ落ちどこかへ行こうとする。


ある程度ぴょこぴょこと歩くとこちらへ向き1鳴き「きゃん」、着いて来いと言うのだろうか?


どこか当てがある訳でもないので着いて行くことにする。


ぴょこぴょこ、ぴょんぴょん、一生懸命歩く子犬を見ていると思わず頬が緩んでしまう。


後ろを追ってしばらくすると川に着いた、子犬は川の水を飲んでいる。


俺も喉を潤そうと川に近寄ってみたら、川の反対側に人が倒れているではないか!


「おい!大丈夫か!?」


川に入り反対側まで渡りきったその時その人物に見覚えがあった。


つい『この間』二人で飯に行った「朝間」だ。


なぜこんなところで倒れているのか、とにかく意識を確認しなくては。


「おい!しっかりしろ!おい!」


人が倒れてた時無闇に揺すってはいけないと聞いたことがある。


とにかく声をかけながら外傷がないか確認をした。


「うるさい!!まだ寝てるでしょうが!」


…こいつはどこでも寝れるのだろうか。


「目が覚めたか?周りをよーーーくみてみろよ?」


そんなことを言ったが朝間を見て違和感を感じる。


こいつ…こんなに若かったか?


『この間』会った時は…最後に会ったのはいつだったか?


「おー、夜行ちゃん久しぶりだね」


久しぶり?そんなことはないはずだが…


「あれは大丈夫なのかい?溺れてる様にしか見えないけど?」


…あれ?


後ろを振り向くと先程の子犬が川を渡ろうとして溺れかけているのだ。


「(声にならない絶叫)」


ダッシュで子犬を掬いに(もとい救いに)行く。


両手で子犬を目の高さまで持ち上げる。


子犬と目が合った瞬間、何かが繋がった感覚が俺を襲う。


次の瞬間俺は意識を失った。

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