表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は物語から逃げます  作者: レイ
88/120

逸れました

翌日。

貰った服でまともそうな服を着用し、ルーシス様と一緒に街へ出ました。

相変わらず、周囲の視線は彼に集まっていますね。

流石ルーシス様。

じゃなくて、彼は何の用があって街に来たんだろう。

私と同じで外出用に何かって様子でもなさそうだし。


それにしても花火大会まで時間があるっていうのに街に人が集まってるな。

普段の倍の人が出てるような気がする。

これじゃルーシス様と離れ離れになりそう。

まぁ、彼身長高いから見つけやすそうだけど。


逸れないためにも服とか掴みたいけど、あのお高そうな服の裾とか掴んで皺にしたら大変なことになりそうだよね。

だからって手を繋ぐとかハードル高すぎるし。

そもそも彼女でも何でもないのに逸れるからって手を繋げるわけないでしょ。

何回か繋いだけどさ。

いやあれはですね、エスコートですよ、エスコート。



って考え事している間にルーシス様が離れていく。

足の幅とか違うからあっという間に突き放されるんだよね。

頼むから待ってくれ、と背中を見ながら追いかけようとするも人が多すぎて彼との距離はどんどん離れて行く。

あぁ、迷子になってしまうよ。

携帯とか持ってないから探すの大変なのに!

でも、下手にこの国の王子様の名前を呼ぶわけにもいかないし。

どうしたらいいのって思ってる傍から居なくなっちゃったし!

どこ行ったのルーシス様。

あっちこっち見渡してもルーシス様らしき人物は見当たらない。

やばいぞ、これは。

完全に迷子じゃないですか、私。


とりあえずふらふらせずにどこかで突っ立ちながら周りを見てみるかな。

慌てて探し歩いたところで、見つけられなくなる可能性もあるし。

よし、そうしようと思って一歩踏み出せば、知らない青年にぶつかってしまいました。



「す、すみません」



「いや…」



咄嗟に謝り、青年を見るも知り合いではございませんでした。

何か青年顔赤くないか?

まさか昼間からビール飲んでたわけじゃなかろうな。



「君、可愛いね。 一人で来たの?」



と思ったらまさかのナンパかい。

人生初のナンパですよ、皆さん。

まぁ、シェリー見た目だけは良いですかね。

可愛いと思うのは仕方ないですよ。

だけど、今はナンパ男にかまってる時間はないのですよ。

早い所、ルーシス様を探さないと。



「いえ、連れがいますので」



そう言ってその場を離れようとするも、手首を掴まれたし。

いや、離してくれませんかね?



「待ってよ。 連れなんて放っておいて俺と遊ぼうよ」



誰がモブと遊ぶか!

私は忙しいの、だから手を離してくれや。



「遊びませんので、離してください」



怒りを込めてそう言っても通用しません。

どうしたらいいんだ、この男。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ