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私は物語から逃げます  作者: レイ
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ご挨拶

その後、ルーシス様にお礼を言った後に豪邸に戻り、その後いつもの所で別れましたよ。 

こんなマイナス思考になっているのは寝不足のせいだ、そうに違いない。

今日はさっさと寝よう、そうしよう。


こうしてその日はさっさと寝ました。

制服デートだったのにそれを活かした何かなんて何もしてなかったな、残念。

まぁ、恋人でも何でもない人にそんなイベント起きるわけないですよね。

知ってました。



金曜日は特に何も変わらない1日を終え、ついに土曜日を迎えてしまいました。

朝、スーザンに手伝って貰いながらあの時に買って貰ったドレスを着て、しっかりと手土産も持った。

あとは約束の11時になるのを待つのみ。

そう思っていると、ルビが迎えにきてくれ国王室のドア手前まで案内してくれましたよ。

そこには既にルーシス様が待機されてました。

うわぁ、私服のルーシス様。

足長、顔小さい。

抱きつきたい、あの背中。

じゃなくて。



「今日もよく似合ってるよ」



「あ、ありがとうございます…」



貴方も私服似合ってます。

そのパンツどこで買ったんですかね、凄くお洒落ですが。

ワイシャツもビシッとしてていいと思います。



「さぁ、行こうか」



「は、はい」



うわぁ、緊張してる時に手を繋がないといけないとは。

今手がびしゃびしゃですよ。

ドレスで拭くわけにも行かないので、比較的まだ大丈夫そうな右手をルーシス様が差し出してきた手の上に乗せました。

それを軽く握られ、ルーシス様は国王室のドアをノックし、中へ入られると部屋中央部にゲームで出てきていたルーシス様そっくりな国王様と優しそうな国王妃がいらっしゃいました。

豪華な椅子に2人とも腰掛け、国王が私たちに座るように促されました。



「父さん、母さん、この間事情は説明したシェリーさん」



「はじめまして、シェリー・スザリアと申します。 ご挨拶が遅れ申し訳ございません」



両手でドレスの裾を掴み、軽く今を下げれば国王様から。



「はじめまして、この国の王をしているファーマだ。 ルーシスから君のことはよく聞いているよ。 大変だったようだね。 君が良ければ、ずっとここに居てくれて構わないよ」



イケメンで優しい。

ルーシス様も年を重ねたらこんなイケメンになるのか。

顔をもっと見たいけど、あんまり見てると失礼になるわよね。

視線少し下げておこう。

それにしても国王様、ずっとここに居て良いってあまりにも心広すぎませんか。

息子さんに大切な人ができる前に退散できるように致しますよ、私。



「私からもはじめまして、王妃のエマです。 不安なことが沢山あると思いますが、協力しますので何でも仰ってくださいね」



国王妃も素敵。

美人で何と心優しい。

こんな2人から生まれたらあんなイケメンが出来上がるんですね、なるほど。



「大変ありがたいお言葉を頂戴し、誠にありがとうございます。 今後ご迷惑をお掛け致しますが、よろしくお願い致します」



2人のためにもルーシス様のためにも家のこともルーシス様のお相手のことも考えていかないとダメですな。

それにしてもこのご両親、私がルーシス様の婚約者って知ってるのかな?

知っているような雰囲気ではないんだけどね。

はじめまして、こんにちはっていう何ていうか初対面っていう感じしか感じ取れないな。



その後、あの時に買ったお菓子をお渡ししたら大変喜ばれましたよ、皆さん。

他にも話すことはあったはずなのに、国王に急な仕事が入ってしまったのであれくらいしか話せませんでした。

残念…。

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