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私は物語から逃げます  作者: レイ
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横顔

借り物競争は無事そのまま1位を貫きましたよ、皆さん。

その間リリーは帰って来なかったし、そもそも体育祭終わっても姿見なかったな。


リリーがいないお陰でルーシス様の応援団のお姿を何度も見れたし、リレーで華麗に走る姿をガン見することも出来ましたよ、皆さん。

何でカメラがないんだ、あったら全て写真にするのにと何度思ったことか。


お昼ご飯はまた売店で購入し、ロワールちゃんとクラス席で食べましたよ。

他のクラスの人と食べられる雰囲気が無さすぎて誘えませんでした。


結局総合優勝は1年の赤組で、主人公やルーシス様のいるクラスでした。

まぁ、主人公がいたらそうなるわな。

流石主人公。


通常学園祭の後とかに行うフォークダンスをこの学校は体育祭の後にやるみたいなので、いざ、主人公とマージュのいる部屋へ行こうとしたとき、何故かルーシス様に声をかけられ、保健室へと連行されました。

何故。

もう足は大丈夫なんだけど。



「あれ、先生いないね」



確かに部屋は開いてるのに先生いないな。

どこ行ってるんだろう。

救護所とかにいるのかな。

だとしたらまだ校庭にいる可能性が。



「君はそこに座ってて。 擦り傷になったところ消毒しないと化膿しちゃうから消毒だけでもやっておこう」



ま、まさか、私が擦り傷負ったのご存じだったんですか、ルーシス様。

石が当たっていたのが見えていたんですね。

そのために私をここに?

凄く嬉しいわ。

また鼻血出そうよ、私

「酷い目にあったね、痛くないかい?」



ルーシス様が心配そうに私の顔見てる。

傷よりそっちの顔の方が嫌だわ。

ほら、私の全部擦り傷だから。

前みたいに凄く痛い訳じゃないから。



「私は大丈夫ですし、自分でも消毒できます。 ですから」



ルーシス様も校庭に、と言おうとしたら、顔を覗き込まれて顔中に熱が。

そんな綺麗な顏を真っ正面から向けないで。

本当に鼻血出して倒れるから。

心臓にも良くないので、止めて欲しいよ。

嬉しいのよ、死ぬほど。

だけどね、色々と無理なの。



「良いから。 かすり傷もバカにできないんだからね」



「………はい」



もう好きにしてくれ。

私はゆでダコ状態ですよ、皆さん。

茹で上がる前に誰か助けてください。



「顔と腕と足以外は肌が出ていないから大丈夫かな?」



「だ、大丈夫です」



助けが来ないまま、顔や腕、足の消毒が終わった頃にはフォークダンスが、終了を迎えそうになってました。

夕暮れを背に校庭を見つめるルーシス様の横顔めっちゃ素敵です。

本当は踊りたかったんだろうな。

私のせいで踊れなくて可哀想に。

そういうイベントには参加する人だもんな、普段は。


私はこの横顔を見れただけで大満足です。

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