もし勝ったら
腕を組み、私の前に立ち塞がったかと思えば眉間に皺を寄せ睨み付けてきた。
「貴女、私と勝負なさい。 私が勝ったら2度とルーシス様に近寄らないと約束なさい」
期待を裏切らない人だね、貴女は。
口には出してなかったけど、やっぱりリリーもルーシス様が好きだったわけね。
優しくて爽やかで格好いいもんね。
でも、リリーには渡したくないんだよね。
主人公かロワールちゃんみたいな子にしか渡したくない。
「良いですよ。 その代わり私が勝ったら、アリアや私のことから一切手を引いてください」
「良いわ」
うわぁ、不気味な笑みを浮かべてるわ。
何か策があるわけだ。
こっちも策なく勝負に何か乗らないけどね。
「2人とも玉投げに出るみたいですし、入れられた玉の数が多かった方が勝ちにしましょうか」
「分かりました」
へへへ、やっぱりそう来たか。
そう来ると読んでいましたよ、私は。
実はですね、ルーシス様が球技が好きっていうゲームでの情報と子供が生まれたら何をしたいかっていう質問に対して『サッカーやバスケなどをして遊んであげたい』というコメントを残していました。
それを見て思いましたね。
私も球技やりたい、と。
ルーシス様と一緒にやりたいと出来るわけもないのにやり始めまして、ボールのコントロールが少し上手くなったわけですよ。
最初に比べたら。
なので、球技は他の競技に比べて少し得意なのです。
負けられない戦いに勝機もない競技に対してイエスと答える訳ないじゃないですか。
「そもそもですね、ルーシス様は皆のものなのです。 貴女が独り占めして良いようなお人ではないと分からないんですの?」
え?
リリーにとってルーシス様ってアイドルか何かですか。
やだぁ、ルーシス様はアイドルじゃないよ。
だから皆の、じゃないから。
誰かのルーシス様にいつかなるから。
まあ、それは私やリリー出はないだけの話で。
「あの美しい顔にお優しいお心を持ち、何をしても絵になるお方を独り占めしようなど、許すことなど出来るわけがないですわ」
分かる分かるよ、最後以外。
私は別にね、私のものにしようとか思ってないから。
私だけのルーシス様は画面の向こう側にいたから。
「勝負が楽しみですわね」
うわぁ、本当に不気味な笑顔。
まぁ、その笑顔もいつまで続くことやら。
私も楽しみにしてますよ。




