1日の終わり
その後、ルーシス様の豪邸に来ました。
あぁ、昨日も来たな、この豪邸。
「お帰りなさい、ルーシス様、シェリー様」
そこへ昨日同様にルビが着ました。
今夜は私が居ても驚かないのね。
「さ、鞄をお預かりいたします」
そう言えば、ルーシス様は彼に鞄を預け私の持っていた荷物を持ってくれました。
え、それ重いのに軽々と持ったな。
流石男の子。
「それじゃあ、僕の鞄をお願いするね」
「はい、かしこまりました」
「父さんと母さんって今どこにいるか分かるかい?」
「はい、今は王室にいらっしゃいます」
「後で行くから伝えておいてくれるかい?」
「はい、お伝えします」
歩きながらもポンポン会話が進んでいくな。
こういうのが日常なんだろうな。
ゲームの中でもこういう会話あったけど、少しだけだったもんな。
物語と関係ないからあまり描かれないのかな。
あれ、もしかしてしばらくお世話になるなら私も挨拶した方が良いのか?
「シェリーさんはこのままゆっくりしてて良いよ。 今日も疲れたでしょう」
え、良いの?
確かに疲れたけど、挨拶くらい頑張りますよ。
国王と国王妃がいい人たちだって、ゲームで知ってるから嫌じゃないし。
ルーシス様のご両親だからそりゃあもういい人達に決まってますよね。
「でも、ご挨拶…」
「大丈夫、また挨拶の機会は別でちゃんともうけるよ。 今日はゆっくり休んで」
そう言ってルーシス様は昨日お借りした客間に荷物を置き、去ってしまいました。
ルビもそれに続いて退出してしまい、またもやポツンと部屋に1人。
まさかの家族が夜逃げ紛い。
最後に家爆発って何。
そんな乙女ゲーム嫌だわ。
それにしてもこれからどうしよう。
いつまでもここにただで居候するわけにもいかないし。
この豪邸で働く?
メイドとして?
それも良いな。
雇ってくれないかな、私のこと。
「お帰りなさいませ、シェリー様」
あら、スーザンが来たわ。
今朝ぶりね。
「夕食お持ちしましたが、お召し上がりになりますか?」
「はい、いただきます」
とりあえず、今日のところは休ませて貰いましょう。
今日も濃い1日だったわ。
嫌なこともあったけど、良いこともあったし。
いかん、ロワールちゃんを思い出したら涎が。