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私は物語から逃げます  作者: レイ
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どうしてくれよう

人だかりは先ほどより減ったようで、先が見える程度になっていた。

皆さん、やっぱり人が集まっていたのは私の靴でした。

でもね、大丈夫ですよ。

保健室のサンダルちゃっかり持ってきてますんで!

これで履くものには困りませんね。

予鈴も鳴ってるし、ルーシス様もご自分の教室へいい加減向かわれることでしょう。



「教室まで行こうか」



「え?」



何故。

どうしてそこまで私についてくるのこの人。

嬉しいけど。

嬉しいよ?

大好きな、いやもう愛しちゃってる人だから。

愛しさと尊さが入り混じって大変なことになってるくらいだから。



「はい」



またもや手を差し出されましたよ。

エスコート慣れてますね、さすが王子様。



「…はい」



それに私も手を差し出しちゃうんだから困るよね。

それより、いい加減こいつ履き替えろよって絶対に思ってるよね。

爽やかフェイスしてますけど。

ここは『いやあああああ、私の靴があああああ』とか見つけて敢えて騒いだ方が良いんですかね。

それとも『何てことですか、私の靴が…』って泣いた方が良いですか。

リアルの反応としておススメするのは物を見て絶句する、ですかね。

人間驚きすぎると言葉も出ないっていうじゃないですか、あれですあれ。

よし、何パターンか想像できたし、その時の様子に合わせてリアクション取ることにしよう。

そう思いながらルーシス様と下駄箱へ行けば思った通りの惨状でございます。

誰こんなことするの、あれかリリーか。

だってあの子、私と同じでルーシス様大好きだったもんね。

だから一緒になって主人公いじめてたんだもんね。

アリアがいじめられなくなったから、矛先が私に向いたっていうのもあるんでしょうけど。


今のアリアはログのおかげで完全に守られてるし、一緒にいるローゼンも合わせて護衛しているみたいだから安全なのよね。

他のクラスにいる騎士団の子たちも協力して貰っているらしいし。

あのイタズラ王子もちゃっかり周りを警備させてるらしいし、守りは強いわよね。



「これは酷いね」



私がものを見て固まっていたら、ルーシス様が眉を顰められました。

あぁ、爽やかフェイスが崩れてしまったじゃないか。

おのれリリー、どうしてくれる。



「今日はサンダルを借りるしかないね。 滑るから歩くとき気を付けてね」



「はい、ありがとうございます」



こんなときにも何とお優しい!

というかルーシス様?

私がサンダル持ち続けていたことに違和感とか感じなかったんですか。

何この子保健室からサンダル持ってきちゃってんのって。

私なら突っ込み入れますけど。



「掃除はあとで僕も手伝ってあげるから」



「いえ、ルーシス様にそんなこと!」



させられるわけないでしょう!

貴方王子様なんですよ。

下駄箱なんか掃除させた日には周りから刺されるわ。



「大丈夫だよ、それより急ごう。 遅刻しちゃうからさ」



「あ、はい」



本当だ、急がないと2人して遅刻だわ。

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