作戦
車に乗せて貰い一緒に登校するまでの間、どうやって今日1日過ごそうか考えていた。
まず、下駄箱。
靴は自分で持ち歩いていた方が良いかしら。
次ロッカー。
中身取ってた方が良いわね。
次、机の中。
中身を入れない、中身覗かない。
私の手荷物がすごいことになりそうだけど、仕方ないわね。
本当は替えの服とか準備しておいた方が良いんだけど、ロッカーとか信用ならないし。
ほら、シェリーがロッカーの中身燃やしてたから。
机の中とかよくわからない生物入ってたから、絶対に中身覗いちゃだめ。
そんなのどこから持ってきたんですか、シェリーさん。
実か飼う趣味でもあったとか?
靴とか燃えカスになってましたよね。
シェリーって燃やすの好きなのかしら。
靴に関してはもう諦めた方が良いかもしれないわね。
到着したときにはもうどうにかなっているでしょうし。
スリッパを借りてくるしかないわね。
「到着いたしました、どうぞ」
昨日もいたな、このスタッフさん(黒いサングラスかけた体格の良い人)。
「ありがとうございました」
「ありがとう、じゃあまた帰りもお願いね」
「はい、それではお気をつけて」
ドアマンのように扉を閉め、車を走らせて行ったスタッフさんを見送っているとルーシス様に腕を引かれた。
腕、腕が!
「それじゃあ、行こうか」
「ハ、ハイ」
腕を掴まれています、私。
緊張のあまり両手両足出てます、きっと。
大炎上とか頭の中から消えそうです、いや消えてます。
「おはようございます、ルーシス様」
「おはよう」
あぁ、今日も素敵な笑みを浮かべてらっしゃる。
って顔近い。
顔上げると爽やかフェイスに目がやられるわ。
誰か、顔を隠す何か持ってませんか。
私が顔隠しますんで。
風呂敷でも何でも顔隠せればいいので。
「あれ?」
うおぉ、急に足を止めるから思わずルーシス様の背中に顔をぶつけてしまった。
痛い、痛いけどいい匂いがする。
「何だか人だかりが出来ているね、何だろう」
「え?」
何ですって。
ルーシス様の横から顔を出し、そちらを見てみると確かに校舎の入り口で人だかりができていた。
今日って何かイベントあったっけ。
マージュイベントって基本的に街で起こるから何もないはずだけど。
まぁ昨日みたいに学校イベントがあれば校内で起こるけど。
今日みたいな何でもない日はここでは起きないはず。