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私は物語から逃げます  作者: レイ
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気を引き締めましょう

ルビに部屋を案内をされ、連れてこられたのは客室なんだけど、何この部屋。

ベッドは大きいし部屋の中にお風呂やトイレや色んなものがあっても広い。

シャリ―の部屋もなかなか大きかったけど、その比じゃないわ。



「何かお困りのことがあれば、そのベルを鳴らしてください。 参りますので」



そう言ってルビはいなくなってしまった。



「はぁ……」



何だかとんでもない展開になってしまったわね。

誰がパーティの様子を見に行ったらイタズラ王子に見つかって逃げたらルーシス様に会うと思う?

そのあと、まさかのドレスの用意とエスコートまでしてもらっちゃって。

家まで送り届けて貰ったかと思えば、まさかの閉め出し。

私を哀れに思ったルーシス様がこの豪邸まで連れてきて泊めてくれるなんて。


ねぇ、皆さん。

これ今日の1日に起こったことよ。

すごいでしょう。

主人公より破天荒な1日を過ごしていると思わない?

私は思う。

世間の悪女さんがどう過ごしているのか分からないけど、ここまで充実した日々を送っているの方っていらっしゃるのかしら?

いるなら話をしてみたいわ。


にしても、あの家。

明日からどうやって入ろうかしら。

誰かが入るタイミングで入り込むしかないわよね。

もういっそのこと大切なものだけでも取ってどこかに住み込むしかないかしら。

この間ドレスを売ったお金も部屋にあることだし。



「よし、明日からまた気合入れていこう」



翌日、部屋のドアをノックする音が聞こえて目が覚めました。

誰か来たようね。

まさかもう殺されるの?!と飛び起きると中に入ろうとしていたメイドのスーザンの姿が。



「あ、おはようございます。 シェリー様」



「お、おはよう、ございます」



どうやら刺客ではなかったようです、良かった。

私ぐーすか寝てたけど、よくよく考えてみればここって私にとって敵地のようなものよね。

だって、いつぶっすり刺されたり、毒盛られたりして殺されたっておかしくないわよね?

私、悪役令嬢の【シャリ―】だもの。

そう考えたらよく緊張感も何もなく寝たわ。

恐ろしい、本当に恐ろしいわ。

緊張感が足りないからルーシス様や攻略対象とこんなに出くわして、剰え仲良くしちゃってたりするのね。

また気を引き締めなければ。



「朝食のご準備が整いましたので、お持ちしてもよろしいですか?」



「ありがとうございます、お願いします」



お借りしたパジャマから制服に着替え、顔を洗い、髪を整えスーザンのもとへ行くと何故か驚かれた。

何故驚く。

私が何をした。




「どうかされましたか?」



「いえ、ご自身でお着替えされるのですね、シャリー様は」



「? そうですが」



え?

身支度くらい自分でやるわよね?

何だったら朝食だって自分で作ってましたけど。

夕食もキッチン見つけてからは作ってたし。



「いえ、ここに来られるご令嬢は皆さま私たちメイドがお手伝いしておりましたので驚いてしまいました、すみません」



あぁ、そうか。

ご令嬢って普通そうなんだっけ。

忘れてたよ。

しばらく一人の生活してたから尚更。

というより、この家、そんなに頻繁にご令嬢来てたってことですか。

何それ羨ましい、じゃなくて。

その話もう少し詳しく聞きたいけど、あまり時間がないわね。



「さぁ、シェリー様、朝食にしましょう」



「はい」

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