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私は物語から逃げます  作者: レイ
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ドレス選び

相変わらず女の子探しを続けるも見つけられず、土曜日になってしまいました。


待ち合わせをしていた時計台前に来たけど、まだ誰もいないみたいね。

それにしても学校以外で会うのなんて初めてだけど、皆どんな格好で来るのかしら。

私服の立ち絵とかなかったもんな。



「シェリーさん、おはようございます」



「おは…」



ようございます、と言おうとしたんだけど、あれ、ロワールちゃんの後ろに黒いグラサンをつけた集団が見えるんだけど、気の際かな。

きっと見間違えよね。



「おはよう、2人とも」



その後に来たローゼンとアリアにもメイドやら執事やらが付いてきたのだけど、あれ、これって貴族ではよくあることなのかしら?

一人で出歩いている令嬢って私くらい?



「それでは行きましょうか」



私以外特にその現状に違和感を抱いていないということは、これは彼らにとっては普通ってことですね、分かります。

何だか恥をかいた気分になりながらロワールちゃんに付いていけば、そこには可愛らしいドレスがたくさん置いてあるお店に辿り着きました。

何でもいつもロワールちゃんがドレスを購入しているお店なんだって。

全部ロワールちゃんに似合うわ。

ひとつと言わず全部試着して欲しい…切実に。



「アリア、これなんてどう?」



ローゼンがアリアに差し出したのは赤みがかったドレス。

そんなに真っ赤でもないし、真っ白なアリアの肌にも合ってるわね。

良いじゃない。

素敵よ、それ。

まだ着てないけど着なくても似合うのが分かるわ。



「あ、赤って、あ、あの!」



あらあら顔赤くしちゃってまぁ。

ローゼンがどうしてその色を選んだのか察したのね。

そうよね、ログってば赤髪だもんね。



「そ、それじゃあ、ローゼンには、こ、これ」



そう言ってアリアが差し出したのは淡いピンク色のドレス。

おぉ、やるわね、アリア。

イタズラ王子がよく身に付けているピンクの腕輪に合わせたのね。



「なっ?! ちょっとアリア?」



こっちも赤くなっちゃってまぁ、青春ね。

女の子って可愛いわね、ホントに。



「シェリーさん、ちょっとファスナー締めてくれませんか?」



「はい?!」 



え、ファスナー?!

後ろを振り替えればいつの間にか試着室にいたロワールちゃんに呼ばれ、そちらに向かえば、こちらに背中を向け長い髪を前に持ってきたことにより普段隠れている項が、じゃなくて。

ファスナーね。

うわぁ、細いな。

背も小さいし、ホントにお人形みたいだわ。



「はい、締めましたよ」



「ありがとうございます、これいかがでしょうか?」



そうやって振り返りながらスカートを靡かせたロワールちゃんが着ているのは、淡い水色のドレスで彼女に凄い似合っていた。

フリルもそんなに派手じゃないし、良いじゃない。



「凄く良いと思います」 



似合いすぎて鼻血でそうです、はい。

皆凄い可愛い。

見てるだけで幸せな気分になるわ。



「シェリーさんはどれか試着されませんの?」



「え?」 



いや、ほら、エスコート頼める人もいないし、足は治りつつあるけどまた挫くと悪化する可能性もあるじゃない?

それに彼女たちの様子から見るにイベントは成功しそうだし、私いらないわよね?

あぁ、でも主人公が紫を着てくるのか気になる。

あとルーシス様の王子様ファッション!

スチルでも最高だったけど生でみたい!

でも、駄目よね、見ちゃ。



「シェリーさん、スタイル抜群なので何を着ても似合うと思いますよ」



「わ、私もそう、思います」 



「羨ましいわよね… そのスタイル」



私も羨ましいと思う。

胸はあるし腰は細いしお尻は小さいし足は細くて長いし。

何このモデル体型。

昔の私とはまるで逆よね。



「これなんていかがですか?」



そう言ってロワールちゃんが差し出してきたのは。



金色に見えるシンプルなドレス。



それは。

主人公がゲームで着ていたドレスでした。

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