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私は物語から逃げます  作者: レイ
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ご馳走さま、もういりません

聞いてください、誰か。

あのイタズラ王子と何だかんだやっていたときに主人公とルーシス様は出会っていたようです。

私が走り去って行ったときには門をくぐった後でした。


もう泣いて良いかな、良いよね。



「私が何をしたって言うのよ…」

 


朝から下駄箱で泣いてる女なんて私だけよ。

見て周りの皆私を見て引いてるわ。

そうよね、私が逆の立場なら引いてるわ。

いくらスッピンメイクとはいえ、もうこれ完全にノーメイクよ。

教室入る前から。

もういっそのことメイクやめようかしら。

そうよ、この子私と違って顔は綺麗だもの。

変に飾らない方が良いんじゃないの?



「どうかしたのか?」



今度は誰、と横を向けば背の高い赤髪。

赤髪?!


本日2度も叫ばなかったの、私。

お陰で涙は引っ込んだわ。

エンカウント率高過ぎない?!



「誰かにいじめられたのか?」



心配そうにこちらを見てくるログの姿に心痛む。

真面目だから見てられなかったのね、こんな変な女に声かけてくるなんて。

ログのファンの皆さん、彼は照れてる所は可愛いけど、こんな風に困ってる人を見掛けると見過ごせない優しい心の持ち主です。 

もっと彼を応援して上げてください、私は心の中でしか応援できませんが。



「い、いえ。 大丈夫です」



顔を隠しながら伝えるも、彼は覗き込むようにこちらを見てくる。

いや、もうなんか、すみませんって気持ちになるから!

見ないでくれ、私を。



「ログ、後ろ詰まってるぞ」



本日2度目の救世主、と思ってみればまたもや攻略対象。

もう良いよ、出てこなくて。

皆揃って主人公の元へ行ってよ。



「あぁ、すまなかったな、ライド」



ログの背後にいて少ししか見えないけど分かる。

黒髪見えたもん。

ルーシス様はブロンドだけど、ライドは黒髪なんだよね。

この世界で唯一の黒髪だから知ってる。

黒目黒髪のライド君よ、日本人の外見を持つ君に感謝しています。


君のお陰で私は…


本日2度目となるダッシュ(逃走)が出来ます!

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