主人公との差
そんな簡単に死んでたまるもんですか!
諦めないわよ、私。
どうにかしてバットエンドから免れる方法を考えるの。
でも、今は。
隣にいる生ルーシス様を味わうことにします。
こんなこと2度とないかもしれないから。
確か身長は185センチだったわね、主人公は158センチくらいだったはず。
隣に並ぶと身長の高さが際立つのよね。
シェリーは168センチだったような。
背高いな。
細く見えてがっしりしてるし。
髪もさらっさら。
あぁ、もう全てがタイプ。
あまり眺めてると悪いわよね、どっか違う所に視線向けなきゃと思って横向いて見たんだけど。
鏡に映ったルーシス様とシェリーを見たとき、あぁ、やっぱりここは主人公の立ち位置なんだよなって思えちゃった。
シェリーじゃ駄目なのよ。
シェリーも美しいけど、シェリーが隣じゃルーシス様が輝かないもの。
それは私がシェリーでも結局は同じなのね。
「あの、ルーシス様。 ここで大丈夫です」
私は階段手前で足を止めた。
この上に上がればルーシス様も自分の教室へ戻れるものね。
さらば、幸せな時間!
また逃亡の日々が続くだけよ、私。
「ん? クラスまで行くよ?」
「いえ、ルーシス様が授業に遅れてしまいますから」
もう既に遅れてるけど。
「君は気にしすぎたよ。 ほら、行こう」
そう言って手を引かれ、歩き始めちゃいました。
え、結構ルーシス様ってば言うこと聞かないのね。
あぁ、言うことを聞くのは主人公だけってことね。
なるほど…そこでも差が出るわけか。