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私は物語から逃げます  作者: レイ
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【シェリー】

皆さん、今日のイベント覚えていますか。

木曜日です、ログと主人公の視線が絡み合うシーンが発生するわけですよ。


そのイベント、ちゃんと発生していたようです。

ただ、私が出遅れて確認が遅れただけで。


あのあと、メイドやら誰かいると思って家の中をさ迷ったわけですよ。

そうしましたら家の中が空っぽってどういうことですか?

私以外誰もいないの。

いつから居なかったのか知らないけど、ちゃんと戻ってくるのよね?

とか思いながら学校へノロノロ来ていたらイベント終了してました。

あぁ、主人公のイベントの見落としが多すぎて泣けてくるわ。

また、涙が出てきそうよ、全く。



私思ったのだけど、このシェリーがとんでもなくえげつない性格になったのってあの家の環境も関係してるような気がしてきたの。

あの姉妹のようにド派手で可笑しいことをしていればあの空間に居られるけど、そうでなくなった瞬間に今の状況。

ある意味今も奇行に走ってるけど、今の走り方はお気に召さないみたい。

シェリーはこうなるのが分かっていたからそういう風に演じていた可能性もあるわよね。

高校になって今まで一切関わって来なかった婚約者に言い寄るのも何か可笑しいし。

自分に興味持って欲しいならもっと前からアプローチしてもおかしくないはずよね?

相手だって誰だか知っていたはずだし。

なのに何もしてこなかったのよ。


ただの悪役令嬢としかこの【シェリー】というキャラを見てこなかったけど、この子にはこの子なりの何かがあるのね、きっと。

奥が深いわ、このゲーム。

この世界に来て、更に物語の理解を深めている気がするわ。

さてさて、ロワールちゃんを探して勉強を教えて貰うかしらねと思って教室を見るもロワールちゃんの姿はなく、諦めてアリアやローゼンたちのクラスへ行くもいない。

一体どこに行ったのかと探せば、空き教室に彼らは居ました。

それもとんでもないキャラクター勢揃い状態で。



えぇ、端からログ、アリア、ローゼン、イタズラ王子、ロワールちゃんにライド君。

何これ。

朝から皆さん何やってんの?

勉強?

教室を覗き見れば皆机を合わせ、教科書を開いては何かを言い合っているようだ。

これは完全に勉強ですね、この中に私も入って良いかしら。

良くないわよね、これ。

入った後にルーシス様が来たら終わる。

これは見なかったことにして大人しく教室へ戻りましょう。

と、振り返った瞬間、足が滑り。



「いでぇ?!」



盛大に転びました。

誰だ廊下にバナナの皮置いた奴!

って一人しかいないけど!

令嬢らしからぬ声を上げてしまったけど、それよりもこのバナナを置いたイタズラ王子が気に食わん。



「お? 君が引っ掛かったのかい?」



「シェリー?! 大丈夫?!」



ローゼンが慌ててこちらに来て手を差し出してくれたので、それに掴まらせて貰いながら立ち上がろうとするも右足首が地味に痛いわね。



「ちょっと! 怪我したらどうしてくれんの?!」



「いや、すまなかったな。 まさか気付かずにそのまま行くと思ってなくてだな」



「誰も廊下にバナナの皮が置いてあると思って歩かないでしょうが!」



2人とも仲良くなっていて何よりです。

それよりですね、本当に足が痛いのだが。

絶対捻挫したでしょ、これ。

見たら終わりな気がするから見ないけど。



「大丈夫か?」



「だ、大丈夫、ですか?」



ログもアリアも良い人ね、朝から寄り添って良い感じじゃないですか。

ってこんな風に考えてないとホントに痛くて泣きたくなってくるの。

中途半端にしか立ち上がれないし。

許すまじイタズラ王子。

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