一件落着?
「わ、私は何もしてませんから!」
そう言ってリリーは教室を出て行ったが、あの慌て方では私がやりましたと言ってるようなものなんだけど気付いてないんだろうな。
「大丈夫かい?」
「……は、はい、ありがとう、ございます。 あの、ご、護衛って」
ログがアリアに近付き、手を差し出した。
その手を掴むかどうか迷うアリアにログは優しく笑った。
「しばらく周りを見させてくれないか? ずーと一緒ってわけじゃないから安心して欲しい。 何もないに越したことはないんだけど、何かあったとしたら嫌だしさ」
おぉ、どうして嫌なのか知りたいわね、私としては。
まさか眼鏡ツインテールの可愛さにログは気付いたのかしら?
だって先からアリアしか見てないもの。
「そ、そんな、わた、私に護衛なんて」
「アリア、お願いしたら? 次はどんなことしてくるか分からないじゃない」
そうよ、アリア、お願いしちゃいなよ。
ログは力もあるから凄く心強い味方になると思うよ。
「俺じゃ君の力にならないか?」
あぁ、何その台詞。
もう一回聞きたい。
「…え、あ、あの、その」
さっきまで真っ青だった顔が真っ赤ね、アリア。
見てるこっちまで恥ずかしくなってくるから早く手を取ってあげなよ。
「お、…………お願い…します」
「はい、おまかせを」
そう言って手を取り合った2人に私は拍手をしたいと思います!
場を壊すからそんなことしないけど。
まぁ、これでだいぶ落ち着くかしら。
国王付きの騎士団の息子であるログ相手にリリーが手を出して来るとは思えないし。
動こうにもログとリリーは同じクラスだもんね。
良かった、良かった。
私の計画も一つ成功したし。
あとはローゼンとイタズラ王子ね。