救世主
そこに現れたのは救世主でした。
「あ、居た居た」
後ろのドアが開いたかと思えば!
赤髪長身のログ!
待ってたよ、でも来る方向違うんじゃない?
何で校庭側じゃなくて校舎側から来たの?
来てくれたから私的にはどうでも良いんだけどね。
でも、何故君は私を見ているんだい?
私に用があるとか言いませんよね?
「何か不穏そうな雰囲気漂わせてたから来たんだけど、まさかいじめとかじゃないよな?」
「……っ」
ちょっと、アリアが怯えて顔真っ青になっちゃったんですけど。
これいじめが増すとかそう言う心配してるんだよね。
「だとしたら見過ごせないな」
ログが真顔でまっすぐとリリーのとこ見てるんだけど、あれ、何か知ってるの?
あと、ログ?
誰がいじめられてると思ってる?
さっきまで私の方みてたよね?
まさか私いじめられてると思われたりします?
私じゃないですよー!
私すっごく元気だから。
「ちょ、ちょっとアリア大丈夫?」
え、何々今度はどうした、とローゼンとアリアの方を見ればアリアがふらつき始め、ローゼンに抱えられているのが見える。
これは早いとこどうにかしないと不味いわね。
「えぇと、ログ様。 実はアリアさんがリリーさんにいじめられているという情報を入手しまして、それを止めていただくようにと伝えるため、この度集まったしだいです」
「あれ? 君じゃないの」
やっぱり私だと思われていた!
違うよ、どうしてそうなった!
あれか、昨日ボロボロ泣いてたからか?!
「違います」
「そ、そんなこと私してませんわ!」
「嘘言わないで! あんたが入学式の時からアリアに目を付けて回ってたの知ってるんだから!」
お、よく言ったローゼン。
ホントに良い子ね、この子。
「分かった。 ここでやったやってないとか話しても仕方ないだろ」
お?
ログは何言い出すんだ?
「んーそうだな…… こうなったら、やったやってない関係なしに俺アリアさんの護衛やるよ」
「何ですって?」
今、リリーの気持ちとシンクロしちゃったわ。
どうしてそうなるのか私にも説明してくれ。
やってくれるのは万々歳だけど。
「今、アリアさんは嫌な気持ちを抱えてるのは事実そうだし、その嫌な気持ちがいじめなのかどうなのかは分からないけど、しばらくは俺が側にいて様子見てみるよ。 その間に誰が何をやってるとか諸々の様子が分かってくるんじゃないかな?」
た、頼もしい。
目茶苦茶頼もしい。
しばらく様子見てくれるの?
これぞ攻略対象ー!
言うことが違うね。