終焉の始まり
ついに来ました、卒業式です。
私は今日は逃げません。
面と向かって婚約破棄をお願いされたら、抵抗せずに受け入れます。
ただ、命乞いはしますがね。
それで殺されたら、どうしよう。
やっぱり逃げ回るしかないわよね。
卒業式は制服ではなく、ドレスを着用します。
主人公はマージュに渡されたドレスを着るんだろうな。
因みに私はあの家で見つけた真っ白なドレスを着てきました。
何でか卒業式はこれを着たかったんだよね。
さてさて、皆の様子を覗いてみますか。
式開始時刻まで時間があるからね。
えーと、アリアはログと一緒に居るわね。
見つめ合っちゃって青春してるわね、全く。
ローゼンはイタズラ王子といるんだけど、うわぁ、イタズラ王子ってば背が伸びた。
全く可愛らしくないわ。
ただのイケメンに変わってるわね。
こりゃローゼンが苦労しそうだけど、そこはイタズラ王子がどうにか出来るでしょ。
彼にはそれたけの力があるしね。
そんでもってロワールちゃんは、ライド君といるわね。
ここだと正体明かせたのか分からないわね。
あぁ、その横には主人公がいるわ。
やっぱり友達になるわよね、君たち。
なるなとは言わないけどさ。
想像通り彼らは私が居なくても上手くいってそうで満足です。
あとは自分がどうなるかが、式が始まったら分かるわね。
そして、始まりました卒業式。
開始は特に問題なく始まり、問題のルーシス様の挨拶が始まります。
名前を呼ばれ、ステージに上がったルーシス様を見れば何故か目が合ったような気がしたけど、まさかもう死が確定したとか?
とか思いつつ、それを見ていれば卒業式定番の挨拶が終わり、ついにこの時間が始まりました。
「私が12歳の頃、婚約者が出来ました。 ただ、その婚約は純粋な婚約ではありませんでした」