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私は物語から逃げます  作者: レイ
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本当に好きなのは誰?

「えっと、その、私はその…ログさんが、好きです。 こんな私の護衛をしてくださるほど、優しく、面倒見のよい、方です。 ご自身も、お忙しいのに、嫌な顔せず、側に、いてくれて、その…はい…」



皆さん、アリアが好きだと認めたよ。

主人公でさえ、まだこの時期好きだという気持ちに気付いていない辺りなのに早いな。

ゲームでは全くもって接点のない2人なんだけとね、違った出会い方をするとこんな風にもなるのね。

あれ、むしろシェリーのせいで敵対してた可能性が高かったかも。



「そうでしたか。 ローゼンさんはどなたかお好きな方はいらっしゃいますか?」



「あたし?!」



ロワールちゃん、意外と話を振りますな。

やっぱり女の子だから気になるよね、そういう話。

うんうん、と頷いていたらまたもやローゼンに冷たい目で見られました。

何故だ。

私が何をした。



「あたしは… その、イオンが気にはなってるよ。 あんなんでも実は真面目だし、面倒見は良いし。 可愛く見えても格好いい所もあるし」



何だ、照れ隠しか。

だからって私を睨み付けないでくれよ、ローゼンよ。

分かりにくいわ。

イタズラ王子とローゼンに関してはゲームでは全く関わらないキャラクターである。

ローゼンは物語上、モブでしかないからね。

それを言ったらシェリーもルートによっては全く描かれていなかったからモブに近いわ。

他のモブよりちょっと出番がある場面もあるって感じ。



「シェリーさんはどなたか好きな方いらっしゃいますか?」



まさかの私にも話が回ってきましたか。

それはロワールちゃんだよ、とかふざけて言ったら怒られそうな雰囲気なので言いませんよ、私は。

でも、ここでルーシス様のことは言えないわよね。

ん、待って私はどっちのルーシス様を思い描いた?



この世界のルーシス様?

それともゲームの中にいる私だけのルーシス様?



最初は主人公のルーシス様だと認識していましたが、今は状況が変わり、主人公のルーシス様ではなくなり誰のでもないルーシス様がこの世界のルーシス様です。

ゲームの世界のルーシス様は私だけの作られたシナリオの中で動き回るルーシス様です。



この世界のルーシス様をもし思い浮かべたとしたら、命が危ぶまれるのが目に見えてる。

でも、今のシェリーは物語のシェリーとは大きく異なり、主人公をいじめてなければ関わってもいない。

主人公が攻略しようとしているマージュにも関わっていないし。

だいぶ攻略対象とかと関わり持ってるけど、悪さはしてないし。

この状況で少しは物語変わらないかしら。


物語が変わって、バッドエンドを回避したとしてもあの人の隣に立つのは私ではないんでしょうけど。



それは何だか悲しいね。

こんなにも彼を好きになってしまったのに。



「……私」



何を、思ったの、今。

好きになってしまったのに?

まさか。


いつしか、この世界のルーシス様を好きになってしまっていたの?

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