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ソルティブレイク  作者: 渡莉しる
9/12

地下通路

「ハァハァ」


俺は暗い線路上を必死で走っていた。薄暗く、不気味で、ところどころにある蛍光灯を目印にして、彼女が行ったと思われる方向へと。もうすでに、彼女の足音も気配も存在しない。


本当に俺でよかったのだろうか。


俺は確かに彼女を愛していた。ただ、それは彼女が美しいからという理由に過ぎない。もし彼女があの連続殺人犯だったとして、俺はそれでも彼女を心から愛していると言えるのだろうか。


彼女の方はどうだろう。彼女にとっては、自分を愛してくれる存在であれば誰でもよかったのではないか。彼女は本当に俺のことを愛してくれているのだろうか。


そんな邪念を抱きながら走っていると、線路の横に空いているドアを見つけた。恐る恐る覗いてみると、舞衣が腕を組んで待っていた。


俺がドアの中へ入るのを確認すると、後ろから誰も着いてきていないことを確かめ、ドアを閉めた後にどこからか取り出した鍵で施錠をした。


「ここまできたらもう少しよ」


彼女はそう言うと、再び先行して歩き出した。ドアの先は狭い階段が続いており、それをただ黙々と俺たちは下り続けた。


俺は、さっき抱いた疑念をずっと引きずったままでいた。


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