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第94話 嗅覚が!?

そろそろ2か月連続投稿が見えてきました。自分の頭の中にあるのを、好き勝手に自由に放出するだけで良いので、割と苦しくは無いのですが、毎日というのは大変ですね。


こうなってくると、水溜○ボ○ドさんの異常さの片鱗を、一万分の一位は理解した気がします。

「え?もう帰っちゃうの?」


「ちょっと冒険者ギルドに顔を出したいからな。また来るよ。」


『そろそろお暇します』と、コルネリウスに伝えたところ、膝の上に居るニコラから、不満の声があがる。


「それは、明日じゃ駄目なの?」


「なるべく早めに片付けたい事があるからね。」


「むぅ〜…。」


調査依頼の件と、フラウの滞在許可について、一応の報告はせねばならないだろう。特にエーリカには、『また明日』と言って別れたので、訪ねなかったら、何か言われてしまいそうである。


こうして、中々離れようとしないニコラを、どうにか説き伏せた聡は、大分疲れた表情で屋敷を後にするのだった。屋敷から出る代償に、そのうち聡が冒険に連れて行く事を、約束させられてしまうのだった。


親離れ(?)していく娘の姿を、コルネリウスは何とも言えない表情で見ていたという。

_____________________________________________


「さて、行きましょうか。」


「はい、サトシ様。」


ギルドに直接馬車で乗り付けると、悪目立ちしそうだったので、やすらぎ亭まで送ってもらい、改めて向かう事にした。


歩いていると、やはり多くの視線がフラウに向けられる。


ーはぁ。フラウさんには、顔を隠してもらった方が良いか?いや、それは窮屈な思いをさせるから、却下だな。なら、自分が守る他無いか…。ー


そんな事を考えながら、2人で並んで歩く。最初は斜め後ろを着いてくると言い張っていたが、『一緒に歩きたいんだ!』とか、『横にいてほしい!』とかとか、小っ恥ずかしいセリフを何回か言ったら、どうにかこうして並んで歩いてくれるようになった。


そこまでして隣を歩かせる理由は、勿論守りやすいからというだけで、深い意味は一切無いつもりである。


そんなこんなで、どこか嬉しそうなフラウと、ぼーっと考えている聡は、かなり注目を受けながら歩き、そして無事に、何事も無いまま到着するのだった。


「エーリカ、おはよう。」


「あ、サトシ。おはよう…と言うには、ちょっと遅いわね。」


ギルドの中に入るなり、真っ直ぐエーリカの元に向かい、軽く挨拶をする。


「ちょっとフラウさんの事で、コルネリウス様に呼び出されてね。」


そう言うと、エーリカはフラウの方を見ながら聞いてくる。


「という事は、無事に認められたって事で良いのかしら?」


「はい、サトシ様のご助力により、認めて頂く事が出来ました。」


「それは良かったわ。…サトシ。ちょっとこっちに来てくれない?」


フラウが答えると、エーリカは微笑みを浮かべながら言う。その微笑みに、幾人か残っていた冒険者たちの意識が持っていかれるが、本人は気付いて無いようで、聡を手招きする。


「え?…まぁ、別に良いけど。」


特に断る理由も無いので、何の警戒もせずに、頷きながら近付ける所まで近付く。


「…えい!」


「え!?」


カウンターを挟んで、ギリギリの所まで来た聡に、エーリカは身を乗り出してきて、可愛らしい掛け声と共に、抱き着いてくる。


「クンクン。…やっぱり、女の匂いがするわ。一体どこの女を引っ掛けて来たのかしら?」


「女の匂い!?女っ気が無さすぎて、ソッチかと疑われた事がある俺が!?」


胸に顔を埋めて匂いを嗅ぎ、突然変な事を言い出すエーリカ。匂いを嗅がれた当の本人は、身に覚えの無い追求を受けて、何とも悲しい事を口走ってしまう。


クラスの、ちょっと良いなとか思ってる女子に、『聡君って、ソッチなの?』と聞かれた時は、ショックのあまり目眩を覚えた程である。偏見がある訳では無いが、気になってる女子に言われるのは、中々にくるものがあった。


「…ニコラ様。」


匂いを嗅がれている雇い主を後目に、ポツリと呟くフラウ。


「ニコラ?…あ!え、でも、女っていうか、子供だぞ!?」


確かに抱き着かれたり、泣きつかれたり、抱っこさせられたりと、かなり密着度が高かったが、所詮は子供(本人曰く、12歳の淑女)だ。完全に意識してなかったので、思わす叫んでしまう。


『お、おい、エーリカが…。』


『エーリカがどうした…って、はぁ!?あ、アイツはサトシとかいう、化け物みたいな魔力持ってる奴じゃないか!』


『どうして抱き着いてるんだよ!?』


聡が大混乱してる中、周囲の冒険者たちは、エーリカの行動に阿鼻叫喚となっていた。


「お、おい、エーリカ。注目を浴びてるから、離れてもらえるか?」


視線を大量に浴びて、意心地が悪くなってきた聡は、エーリカの肩を揺らしながら言う。


「…取り敢えず、今は追求をしない事にしとくわ。」


エーリカは不満げに離れるが、何故だかその頬を赤くし、口角は少し上がっている。


ー注目されて、恥ずかしいんだろうか?ー


なーんて鈍臭い事を聡は考えるが、フラウから見れば、エーリカの態度の理由は、一目瞭然であった。


ーサトシ様は、人誑かしなのでしょうか?聞くとまだ数日しか、この街に居ないのに、既にギルドマスターや代官様と仲良くし、信頼される程の仲となり、更にはニコラ様、エーリカさん、宿屋のティアナちゃんに好かれるとは…。ー


自身がその人誑かしの餌食にかかっている事に、一切自覚が無いフラウは、少し呆れた視線を聡に送るのだった。

さてと…。そろそろエーリカを…。

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