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第81話 本音が漏れました

中々話が進みません…。予定を立てても、書いてると、ついつい興が乗って、話が膨らんでしまいます。

ヴィリーの指摘により、慌ててフラウの格好をどうにかしようと、聡はアイテムボックスから大量の服を取り出して、彼女に押し付けてから、外からは見えないように、木で試着室ぐらいの大きさのボックスを作り、そこで着替えてもらう。


「お待たせしました。」


着替えてきたフラウは、聡が適当に渡した服の数々から、黒のシャツと、白のプリーツスカートを選んだようだ。

全身の汚れは、聡が手渡した魔道具(マジックアイテム)の、通称キレイ○レイ2号により、綺麗さっぱりにしてもらった。


「…。」


その為か、どこぞの お姫様(・・・)のように見えてしまい、ついつい聡は言葉を失ってしまう。


「えっと、どこかおかしかったですか?」


「い、いや、身なりを整えてもらったら、だいぶ見違えたなと、思いまして。まぁ、これなら街でも怪しまれないでしょう。」


「そ、そうですか。ありがとうございます。」


「…これだと、別の問題も起こりそうですが。」


ボソッと呟く聡。別の問題とは、勿論、野郎共に絡まれないかという事である。


「何かおっしゃいましたか?」


「いえ、何でもありません。さて、準備をも整ったところで、早く街に入りましょう。混む前に、冒険者ギルドに顔を出したいので。」


聡は誤魔化すように、この後の予定について言う。


「冒険者ギルドですか?」


「はい、冒険者ギルドです。実は、あの森には、依頼を受けて行ったんですよ。なので、その報告をしないといけないんです。」


「…報告、ですか。」


微妙な表情のフラウに、聡は真っ直ぐ視線を向けて、しっかりと言葉を紡ぐ。誠意を伝えようと、表情はここ最近で一番真面目だ。


「安心して下さい。フラウさんには、一切の危害が及ばない事をお約束します。まぁ、会ったばかりの私は、信用出来ないとは思いますが。」


一方で、少し場の空気を軽くしようと、方目を瞑りながら、冗談めかしてフラウの気持ちを代弁する。

だが、その言葉を真面目に受け取ったフラウは、首をブンブンと横に振って否定する。


「い、いえ、そのような事は御座いません。しかし、貴方以外の人族は、少し…。」


「まぁ、避けては通れない道ですし、なら問題がややこしくならない内に、さっさとこの街を安住の地にした方が良いと思うので。」


「それは…そうですね。では、お願いしてもよろしいでしょうか?」


「Yes,my rady. では、行きましょうか。」


茶目っ気たっぷりに、巫山戯て仰々しい態度で胸に手を当て、一礼する聡。

聡の唐突な行動に、フラウは目を真ん丸にするが、直ぐに少しだが笑みを浮かべて言う。


「はい。」

_____________________________________________


街の中に入り、暫く歩いていると、周囲からフラウに、熱い視線が送られているのに、聡は気付く。


「ふーむ。やっぱり視線が多いな。」


「そ、そうなのですか?確かに先程から、こちらに向けられる視線を感じてはいましたが。」


聡の言葉に、不安そうにキョロキョロ辺りを見回すフラウ。


「あ、別に正体がバレたとか、そういう事では無いですよ?」


ちょっと過剰気味に反応しているフラウに、苦笑しながら言う。聡の誘いに乗って、街に来たのだから、元いた場所には帰れない理由があるのだろう。だから、暫くこの街で過ごすのだから、この視線には慣れないといけない。


「で、では、何故注目を集めているのでしょうか?」


「自覚無いんですか?フラウさんが、可愛らしいから、野郎共から熱い視線を送られてるのですよ。まぁ、隣に俺が居るので、冒険者なら手を出しては来ないと思いますが。」


若干口調を崩しながら言う。事実とはいえ、女性に『可愛い』だとか、そういう事を言うのは気恥ずかしく、ついそんな口調になってしまったのだ。


「えぇ!?わ、私が可愛らしい!?な、な、な、何を仰ってるのですか!?」


事実を述べたつもりが、当の本人であるフラウは、顔を赤くしながら、全力で否定をする。


「鏡を見た事無いんですか?…鏡に映らないとは、聞いた事ありませんが?」


地球での吸血鬼のように、鏡に映らないなんて事は無い筈だが、300年間の間に体質が変わったのだろうか?

聡は首を傾げる。


「え、勿論鏡は見た事ありますが、私が可愛いなどとは、微塵も感じた事ありません。」


「ま、マジで言ってますか?」


改めてフラウをマジマジと見つめる聡。太陽光でキラキラと輝く、長い銀髪と金色の瞳、綺麗に整った顔立ち。


-うん、可愛いよな?どこからどう見ても。絶世の美女の一歩手前って感じだが、今の状態でも充分に魅力的だよな?将来は傾国の美女も顔負けに綺麗になりそうだし。」


「え、えっと、そんなに言われると、は、反応に困ってしまいます。」


混乱のあまり、心の声が途中から漏れ出てしまい、フラウはモジモジとしながら顔を赤くする。


「あ、本音が…。」


聡は慌てて口を塞ぐ。だがもう口から出た言葉は元には戻せない。

顔を赤くしたフラウと、気まずそうにする聡。2人は、何とも言えない雰囲気を醸し出しながら、ギルドへと向かうのだった。

次回、『サトシ、極寒の視線に晒される』


お楽しみに!

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