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第44話 夢の冒険者ギルドです(1)

ここから少しの間、冒険者ギルドに関するお話になります。

「おぉ…。ここが冒険者ギルド…。」


大きな3階建て位の高さの建物を見上げ、感嘆の声をあげる聡。

冒険者ギルドは、大通りを街の中心部へと歩いて行き、外からも見えた塔の根元から、数百メートル離れた位置にあった。

ここまで宿から10分ほどである。

道はかなり混んでいたが、この街に慣れているルドルフと、もっと酷い混み具合を知っている聡は、するすると人混みを抜け、苦もなく辿り着いたのだった。


「さて、感動してるところ悪いが、さっさと入ろうぜ。」


「おっと、すみません。」


ルドルフに声をかけられて、聡は再起動を果たす。


「では、入りましょうか。」


「おう。」


気を取り直して、開け放たれたままのドアから、ギルドへと入る。


中に入ると、朝だというのに、物凄い熱気が感じられるほど、人が大勢屯っていた。

建物の奥の方が受付、入口から見て右手側が、教室3個分くらいの広さの酒場、左手側が依頼書を貼り付けるボードといった構造になっている。

ルドルフの話によると、酒場は24時間営業だそうで、満席とはいかないものの、朝から酒を酌み交わしている男達が、ちらほら見受けられた。


「ほれ、行くぞ。」


「あ、はい。」


またしても見慣れない光景に、ぼーっとしてしまった聡を、ルドルフが促して、受付へと向かう。


「お、エーリカが居るな。あそこにしよう。」


重厚な長机に3人の受付嬢が座っていたが、その中にルドルフの馴染みが居たのか、嬉しそうな表情を浮かべる。


「おはよう、エーリカ!」


ルドルフが凶悪な笑顔で、右端に座っていたエルフ族の女性、エーリカに挨拶をする。


「あら、ルドルフさん。おはようございます。今日は、どういったご要件でしょうか?」


エーリカは、金髪碧眼の、これぞエルフといった感じの女性であり、座っているため正確な身長は分からないが、155センチくらいの体格で、一部分がなだらか曲線を描いている以外は、理想的な女性の体型なのでは無いだろうか。


聡は、自身が他種族に対して、興味を持ちすぎている事を自覚しているため、チラッと見るに留めて、その後は失礼にならないように視線を軽く下に向けて、大人しく待機する。


因みに、現在の聡の格好は、例の灰色のローブ姿である。


「今日は、コイツをギルドに登録させたいんだが、頼めるか?」


「はい、畏まりました。では、まずこちらの書類の記入をお願いします。字は書けますか?」


「はい、問題ありません。これは全部を埋める必要がありますか?」


「名前と出身地だけ記入して頂ければ、あとは自由で大丈夫です。」


「そうですか。分かりました。」


エーリカから用紙とペンを受け取り、サラサラと必要事項を記入していく。


名前:サトシ

年齢:21

種族:人間族

性別:男

レベル:

出身地:○○(勇者により、日本という地名が幅広く知られている為、聡が元々住んでた地名を記入)

所持スキル:気配察知、剣術、短剣術、槍術

アピールポイント:片手剣、短剣、槍等がそこそこ使えます。魔法もそこそこです。


と、記入した。聡は、スキルで『武術 Lv:9』を所持しているが、これはありとあらゆる武器や体術を、達人級に使いこなせる者のみが持つスキルであり、剣術、短剣術、槍術などの武器を扱うためのスキルの上位互換である。


「はい、書き終わりました。」


「はい、サトシ様ですね。出身地は…聞いた事がありませんね。他大陸なのですか?」


「はい、そうなります。」


ー他大陸どころか、異世界なんすけどね。ー


心の中でツッコミを入れる。


「レベルは記載しなくて良いのですか?」


「えぇ、まぁ。」


「…珍しい方ですね。それに、色々な武器が使えるんですね。更に魔法も…。」


「あはは。器用貧乏ってやつですよ。1つの道を、極限まで突き詰めた、本物の達人には敵いませんから。」


聡の多芸さに、驚きの表情を浮かべるエーリカ。

『色々な武器を使えるのが、そんなに珍しいのだろうか?』と疑問に感じるだろうが、自身の命を賭けて、魔物と戦って金銭を得る、冒険者という職業では、1つの武器、もしくは魔法を集中的に鍛えて、生存率をあげようとするのが普通である。そんな中で、聡という存在は、異質であった。


「そうですか。…では次に、こちらの誓約書に同意のサインお願いします。」


「はい、分かりました。」


誓約書に目を通すと、次の事が書いてあった。


・以下を冒険者ギルドの規約とする

・犯罪行為をするな

・依頼書に、クエストの条件が書いてあるから、しっかり読んでから受注しろ

・正当防衛以外の場合は、ギルド内、及び人の居住域では武器を使用するな。魔法の使用についても同様とする

・魔物の大量発生の際、これの殲滅に協力しろ

・魔族との戦いにおいても、これに協力しろ

・規約違反の場合、冒険者資格の剥奪、又は罰金を科す


細々としたものがあと複数あったが、大体これらに注意していれば、問題無く冒険者活動が出来そうだった。

一応、隅々まで頭に入れた聡は、特に質問も無かったので、サインしてからエーリカに渡した。

段々と暑くなってきましたね(6月5日現在)。

調子を崩さないよう、気を付けながら執筆していきます。

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