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第43話 そうだ、冒険者ギルドに行こう

奇跡の連日投稿です。

「あ〜、よく寝た〜。」


翌朝、伸びをしながら、聡はベッドから立ち上がる。

昨日、夕食は平和的に終わり、今後の予定を考えてから、12時頃には眠りについた聡。そのままぐっすりで、現在の時刻は朝の7時だ。


寝ぼけ眼でラフな格好に着替える聡。食事の最中までフードを被ってるわけにもいかないので、昨日は夕食のため呼びに来たティアナに驚かれたり、アデリナは目をまん丸にしたりなど、色々あったが、『まるで勇者(・・)のようだ』と、好意的に受け入れられた。


「さてと、飯でも食いに行きますか。」


鍵は付いていないが、現代日本人が宿泊しても苦ではない程度に、小綺麗にしてある部屋から出て、1階の食堂へと向かう。

食堂に着くと、そこでは朝から元気にティアナが朝食の準備していた。


「あ、おはよう、お兄ちゃん!」


「おはよう、ティアナちゃん。」


ティアナはこちらを見ると、笑顔で挨拶をしてくる。それに、笑顔で挨拶を返し、聡は適当に席に腰掛ける。


「今ご飯を持ってくるから、ちょっと待っててね!」


「うん、ありがとう。」


元気いっぱいに、厨房へと引っ込んでいくティアナを見送っていると、2階から、1人のおっさんが降りてくる。


「お、サトシじゃねぇか。おはよう。」


「おはようございます。ルドルフさん。」


挨拶しながら聡の反対側に腰掛けるルドルフ。

彼は、身長が190センチくらいのがっしりとした体格の、スキンヘッドのおっさんで、右頬に傷があるため、幼子なら見ただけで泣き叫ぶ事間違い無しの見た目になっている。


だが、中身は人当たりの良い、さっぱりした性格の男で、昨日、食事の席が同じになった聡は、色々と彼から話を聞かせてもらっていたのだ。


「そういや、サトシ。昨日、しきりに冒険者ギルドについて聞いてきてたが、おまえ、冒険者になるつもりなのか?」


「えぇ。やっぱり身分証が欲しいですし、自分も男なんで、一度は冒険者になってみたいんですよ。」


昨晩、ルドルフが冒険者をやってると判明してからは、聡はギルドについて、色々と聞いていたのだ。


この世界において、人間族・獣人族・エルフ族等の知的生命体にとって、共通の敵がいる。それは、魔物と呼ばれ、例えば、エンデ村で聡がアノマリーを馬鹿にするのに使った、ゴブリンなどが挙げられる。

この300年間、魔王トイフェルが存在し続けたため、かつてないほど魔物が発生しており、大陸各地で争いが起こっている。


そんな中、魔物に対する武力持つ者達が、冒険者ギルドのメンバーである。

彼らは、魔物との戦闘のプロフェッショナルであり、中には奇人・変人といった類の者もおり、護衛等を任されるような高位ランクの冒険者でもなければ、コミュニケーション能力はほぼ要らない、多少変わった言動や行動をしかねない異世界人の聡にとっては、ありがたいことこの上ない職業であった。

まぁ、そんなものは建前で、聡としては、ファンタジーといえば、冒険者だろうという、安易な考えにより、冒険者になりたいと思っているのだが。


「そうか。しかし、サトシの見た目じゃあ、ギルドに行ったら、素行の悪い連中に絡まれそうだな。」


「あ〜、なるほど。まぁ何とかしますよ。こう見えて、結構鍛えてますので。むしろ、手加減の方が難しいくらいです。」


「そうなのか?そうは見えんが、サトシは妙なところでくだらん見栄を張るやつじゃないしな…。」


見た目では、人類でトップクラスで素行が悪そうなルドルフが、聡を心配そうな目で見てくる。その心配そうな目も、傍から見れば、殺意マシマシの、殺人犯の目なのだが。


「あ、なら、夕食にお酒を奢りますので、登録に付き合ってもらえませんか?」


「なるほど。俺がついてけば、そんじょそこらの奴なら、声もかけて来ねぇだろうな。分かった。付き合ってやる。」


「ありがとうございます。ボスが居れば、百人力ですね!」


「おう、任せとけ!…って、誰が盗賊団のボスやねん!?」


「おぉ、ナイスノリツッコミです。」


そう言って笑い合う2人。それは、朝から実に楽しそうな光景であった。

_____________________________________________


「さて、行くとするか。」


「はい。」


朝食をたらふく食べた2人は、冒険者ギルドに向かう。

聡は、ふと気になった事を聞いてみる。


「冒険者ギルドで、何か絡まれた時って、殺さなければ、対処しても問題無いんですか?」


「ん?あ、あぁそうだな。だが、武器を抜いてきたら、その場で首を撥ねてもらっても構わんらしいぞ。ま、中々そんな事は無いけどな。」


「そうですか。分かりました。ありがとうございます。」


「おいおい。朝から物騒な事聞いてくるなぁ。」


朝から血なまぐさい会話で、ルドルフは思わず苦笑いをしてしまう。


「まぁ、念の為に聞いただけですから。自分から(・・・・)喧嘩を売りに行ったりはしませんよ。あはは。」


『自分から』とは、すなわち売られれば買うということであり、見かけや口調に似合わず好戦的な聡に、ルドルフは苦笑いを浮かべることしか出来なかった。

最近、Arcaeaという音ゲーをやり過ぎて、指が痛くなりました(笑)。

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