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第32話 平和的解決?(3)

久々投稿です。めちゃくちゃ忙しいのですが、書きかけだったので、仕上げちゃいました。

「で、こういう有様になった訳だけど、どうする?謝るなら、今のうちだぞ?」


「ひ、ひぃ〜!」


倒れ伏す、20名以上の兵士を目の前に、聡は肉ダルマに脅しを掛ける。

聡が派手に啖呵を切り、あっという間にかかってきた者を倒した後、報告に行った兵士に起こされたアノマリーが、青ざめた表情で飛んできたのだ。


「えっと、え?さ、サトシさん。アノマリー様と知り合いだったの?」


「いや?違うよ?」


「え、じゃあ何で『サトシ様〜』って泣き付いて来たの?」


「それは、夢の中でたっぷりと、ね?」


「へ、へぇ〜…。」


聡の口調から、聞いちゃいけない話だと感じたイルマ。大人しく引き下がった。


「サ、サトシ様!どうかお許しを!ご慈悲を!」


「俺に謝るな。俺はそう教えたつもりは無いぞ?」


「は、はい!私が今まで手にかけた大勢の人々、少女達に対し、誠心誠意対応させていただきます!」


今までとは人が違ったように、聡に泣き付くアノマリーを見て、兵士達はただ呆然とする事しか出来ないでいた。若干1名を除いて。


「おい、そこのお前。何コソコソと逃げようとしてるんだ?」


聡が声を掛けたのは、兵士達を上手く影にしながら、この場から離れようとしている、隊長のフレシェットであった。


「チッ!バレたか。てめぇ、何様だ?ここは甘い蜜が啜れる、最高の場所だったつーのに、駄目にしやがって。」


逃げようとしているのがバレると、諦めて開き直って、聡に対して理不尽な文句を付ける。


「さっきはお前の動きに、少し寒気を感じたが、高々十代後半のガキで、武器も何も持ってないような奴に、俺が負ける訳無いんだ。それに、お前の年であれだけ動けるって事は、魔法はからっきしと見た。」


「はぁ。で、だから何だと?」


「チッ!一々発言がムカつくガキだな。まぁいい。…俺は剣も魔法も、両方とも達人レベルの使い手だ。対してお前は、徒手格闘に秀でている。それだけ動けるようになるには、相当時間がかかる。だからお前は魔法が使えない。分かるよな?」


敵であるはずの聡に、何故か懇切丁寧に説明をするフレシェット。


「う〜ん、理解不能かな?」


「なっ!?」


しかしあっさりと聡に切り捨てられ、フレシェットは言葉を失ってしまう。


「てか口数多いな。あ、若しかして、緊張してるん?」


「き、緊張だと?」


聡に指摘されたフレシェットは、どこか頭からスッと熱が抜けていく感覚を覚える。確かに、冷静な判断能力は失っていたようであった。

しかし思わぬところで、フレシェットは墓穴を掘る事になってしまう。


「お、おい、フレシェット!サトシ様に対し、その不敬な態度、今すぐ止めんか!」


「あ?何か言ったか?てめぇみてえな腑抜けた、中途半端な悪党に、指図される筋合いはねぇんだよ。」


「な、何を馬鹿な事を!」


「馬鹿だと?…よし、決めた。そこのガキ、やっぱり殺すわ。で、その次はアノマリー、テメェの番だ。安心しろ!そこのガキは、隣の女共々、ゆっくりと壊してやるから、神に祈る時間はたっぷりあるぞ。」


完全に腰抜け野郎と化したアノマリーに指図され、完全にキレたフレシェット。それに加え、イチャついているカップルのように、聡にくっ付いているイルマも気に食わなかったのか、随分と酷い事を言っている。


「あ〜うん、ちょっとこれは予想外だな。おい、アノマリー。アイツ、倒して良いか?」


「さ、サトシ様のご意思に背くつもりはございません!ご自由にどうぞ!」


何故かアノマリーに許可をとる聡。そんな聡に、アノマリーは平伏しながら、生殺与奪、全てを任せるとぶっちゃける。…性格の矯正は行ったが、やはり性根の部分は直っていないようだ。


「だ、そうだ。お前、主に売られてるぞ?」


「ふん!そんな奴、元から主でも何でも無い!ただ甘い汁が啜れるから、利用していただけだ!」


「おぉ。主従揃って、共々酷い奴らだなぁ。…寝てろ。」


聡は半笑いの表情で会話をしていたが、唐突に真顔になり、そのまま一気に距離を詰めてから、フレシェットの鳩尾に拳を叩き込む。イルマに対しての一言が、どうにも気に入らなかったようだ。


「うげぇ!…ふ、不意打ちかよ。ひ、卑怯な野郎だ。」


成すすべもなく地に倒れふすフレシェットは、咳き込みながら、聡に恨み言を言う。


「いや、お前みたいな腐れ外道に言われたくないね。この自己中野郎が。」


言いながら、さらに腹部に蹴りを入れる聡。


「ガハッ!」


ゴロゴロと、10メートルは転がるフレシェット。こうして、アノマリー御一行の最大戦力は、聡によって倒されたのだった。


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