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第124話 笑うしかありません

2、3日に一回更新にしないと、身体が持ちそうに無いですね…。

「は、話を戻すよ?」


「う、うん。」


何とも言えない空気感となったが、真面目に話をしなければならないので、脱線しかけた話を、元に戻す。


「えっと、俺は永遠に生き続ける訳で、いつかは遠い子孫とも、関わり合いを持つかもしれない。そんな時、子孫だからって理由で、拒絶するよりかは、現時点から一律に断った方が良いんじゃないかなってさ。アホな事考えた訳です。」


話を一旦切る。そして、深呼吸してから、口を開いた。


「まぁでも、そんな理由で断ってくのも、何とも失礼過ぎる話だから、俺がどう思ってるのかっていう、正直な気持ちで答えなきゃなって、決意したんだ。」


「うん。」


エーリカは、嬉しそうな表情で頷く。まずは、そんな理不尽な理由で断られる事が無くなった事に、安堵を覚えたのだろう。しかし、まだ告白が受け入れられるとも限らない。


少し真面目な顔に戻してから、次の言葉を待つ。


「えっと、ここからがちょっとややこしい話になるんだけど、聞いての通り、フラウから告白されました。」


「そうだったわね。」


「…。」


エーリカは全然怒ってないようで、キスの件も気にした様子は無い。反対にフラウは、恥ずかしそうに俯いている。


ーいや、そこはもう少し、申し訳なさそうにしなさいな!てかエーリカは何故怒ってないんだ?幾ら一夫多妻制が認められてるとは言っても、今の俺のやってる事は、最低男その物なんだが!?ー


2人の様子に、もう気が気じゃない聡。だがここで引き下がるという、情けない選択肢はもう取れない。


覚悟を決めた聡は、しっかりとエーリカを見詰めながら言う。


「俺は、エーリカと同じくらいには、フラウも好きだと思う。恋愛感情と呼ぶには、小さいものだけど、何と言うか、他の奴には絶対に渡したくない位には、独占欲も湧いてきてる。」


「そ、そうなんだ。ちょっと照れるわね。」


この世界の常識から見ても、大分酷い事を言ってるのに、予想外の反応を見せられて、聡の顔は引き攣る。


「…えっと、俺の元居た世界の感覚では、2人同時ってのは、倫理的にアウトだから、酷い話で申し訳無いけど、俺がその感覚に慣れるまでか、結婚とかそういうのは、待って欲しいんだ。」


本当に申し訳なさそうに言う。

言って後悔するレベルで、アウトな発言の為、マトモに2人の顔が見られない。


「うん、勿論!断られるより、よっぽどマシだし、前にフラウさんと話した時に、彼女とだったら、一緒にそういう関係になるのも良いかなって思ってたから。」


「はい、そうですね。1人の女として、少し残念ではありますが、それよりも一緒に居られる方が、嬉しいですから。」


だが、2人の反応は、聡の想像とは180度真逆のものであった。


「ちょ、ちょっと2人とも?自分で言っといて何だけど、本当に良いの?」


「「うん (はい)。」」


「マジか。そんなにあっさり認められるとは。ははは…。笑うしかないな。」


安堵と空回りした感、その他諸々の感情が織り交ざり、自然に乾いた笑みが込み上げてくる。


「さて、それじゃあ、私たちに対して、1人ずつコメントしながら、サトシからキスの1つでもしてもらおうかしら。」


「えっ?」


「そ、そうですね。サトシ様からして頂いた事は、1度もありませんから。」


エーリカの言葉に耳を疑っていると、フラウからもとんでもない言葉が飛び出してくる。


「まずは私からでも良い?」


「はい、大丈夫です。」


目をぐるぐる回してる聡を挟んで、エーリカとフラウで話はサクサク進んでいく。


「じゃあサトシ。お願い出来るかしら?」


「あ、はい。…コホン。えっと、エーリカ。」


笑顔でお願いしてきたエーリカに、聡はこれぐらいしなきゃいけないと言い聞かせて、ちゃんと向き直って咳払いする。


「正直に言って、まだエーリカに告白された事が、現実味が無いように感じるくらいには、頭が混乱してる。でも、告白自体は嬉しいし、俺も多分、エーリカの事は、憎からず思ってると思う。だから…。」


「うん。」


「えっと、これからも傍に居てもらえると、嬉しいです。」


そう言って、恐る恐る肩に手を置き、顔を近付け、緊張のあまり、唾をゴクリと飲み込みながら、軽く、触れるだけのキスをする。


「ん…。」


ーへ、変な声を出さないでくれ!ー


少し色っぽい声が聞こえ、聡は思わず顔を離してしまう。


「あ。も、もう終わり?」


「き、キスはキスだよ。」


顔を赤らめながら、そっぽを向く。だが、これで終わりでは無いのだ。次が控えている。


ちょいちょいと袖を引かれて、後ろを振り向くと、期待に満ちた顔をしたフラウが居た。


「で、では、次は私にお願いします。」


「あ、あぁ、うん。」


顔が引き攣るのを抑えながら、何とかフラウの方を向く。


「えっと、フラウ。年齢的には、まだ恋愛対象としてどうかとも思うんだけど、それでも好ましいと思う。」


そこで一旦、言葉を切ってじっと視線を向ける。


「だから、いつかちゃんと結婚とか考えられるようになるまで、少し待って下さい。それまで、一緒に居て下さい。」


同じように、触れるだけのキスをする。


だが、フラウは自ら強く唇を押し付けてきて、結果として、以前彼女がしてきたような、濃厚なものになってしまった。


「あ〜!ずるい!」


ーず、ずるいって何!?ー


聡はフラウの柔らかい唇の感触に戸惑いながらも、声にならない叫びを、心の中であげるのだった。

こっからぶっ飛ばしてきます。

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