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第121話 驚いてばかりです

家族の前で真顔で執筆してるので、表情筋が死んでます。

「もう色々ぶっちゃけるけど、フラウにキスされて、興奮したし、何なら俺が10代、20代だったら、そのまま欲望に負けてたくらいだよ。」


聡は取り繕うのを諦めて、包み隠さず話す。


「そ、そうですか。」


フラウは、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに俯いている。


「正直今でも、俺の物にしたいと思うくらいには、骨抜きにされかけたよ。」


「あはは。面と向かって言われると、とても恥ずかしいですね。」


聡は真顔を作ろうとするが、流石に恥ずかしすぎて、顔は赤くなってしまっている。


「以上になります!大変、申し訳ありません!」


15歳の少女に向かって、言っちゃいけない言葉の数々により、辱めてしまった事を、土下座しながら謝罪する。


「い、いえ!謝らないで下さい!そう思って欲しいと、願ってやった事ですから!というより、その体勢は一体何ですか?」


「俺の故郷、えっとご存知の通り、異世界だけど、そこの風習で、最大限の敬意を表すと同時に、謝罪する際の真心を示す為の行為であります!」


ステータスを見せた際、称号も見られている筈なので、そう注釈を入れながら、説明する。


「あ、そういえばそうでしたね。どんな所から来たのか、非常に気になりますが、一先ず顔を上げて、立って下さい。でないと、またキスをしちゃいますよ?」


「はい!顔を上げました!立ちました!」


小悪魔風な囁きをしてくるフラウの言葉に、素早く反応して、行動する聡。その姿は、まるで上官に付き従う、二等兵そのものであった。


「確かに立ち上がって欲しかったんですけど、そんなに勢い良くされると、少し傷付きますね。」


「え、あ、そんなつもりじゃ!」


そんな彼の姿が不満だったフラウは、口を尖らせながら拗ねている。それを可愛いと思ってしまった聡は、もう末期症状だろう。認めるしかない筈だ。


「俺はフラウの事、多分好きだよ。惹かれかけてる。最低な事に、エーリカと同じくらいにね。」


「…え?い、今何と、おっしゃいましたか?」


何気なく言った聡の言葉を、震えた声で聞き返すフラウ。最後のところで、やはり怒らせてしまったのだろうか。


「エーリカと同じくらいって言ったんだよ。最低な話だけど。」


「い、いえ。そこではありません!もう少し前を。」


「もう少し前?…フラウが好きだと思う、で良いかな?」


改めて言わされるとなると、気恥しさが先に来てしまい、顔をマトモに見れずに、明後日の方向を見て言う。


「ほ、本当ですか!?騙してないですよね!?」


「うおっ!こんな大事な事で、嘘は言わないから!な?落ち着いて?」


バッと距離を詰め、顔を至近距離まで持ってきて、フラウに問い詰められた為、聡は後退りながら手で制する。


だがフラウは、とどまるところを知らない。


話し合った中では(・・・・・・・・)、一番良い展開です!」


「ん!?話し合った中!?どういう事!?」


気になる文言が出てきて、聡は聞き返す。中々に嫌な予感しかしない発言である。


「えっと、内緒です!」


「…大方、エーリカと何か話したんだろうけど。分かった。その件については、触れないでおこう。」


女性2人の話し合いを、無理矢理聞き出す事も出来ずに、聡は放置する事にした。


「それよりも、私と、その、お付き合いして頂けるという事で、大丈夫ですか?将来的には、結婚も…。」


「…あ、それは…。」


「…。」


ーいきなり超重い話なんだけど!?しかも、少し口篭っただけで、既に泣きそうだし!ー


目を潤ませて、今にも泣きそうなフラウには、面と向かって『ちょっと待ってくれ』とは、言いづらかった。


聡はまだ、他人の人生を背負えるほど、人間は出来て無かった。それどころか、強大な自分の力に振り回される、ただのちっぽけな存在である。

だから、ここで安易に受け入れてしまえば、間違い無くフラウを不幸せにすると思った。


そこで聡は、少し緊張しながら、最後まで話を聞いてもらう為に、『逃がさないぞ』という意志を込めて、抱き締めながら告げる。


「え?」


「俺は、確かにフラウの事が好きなんだと思う。」


「は、はい。」


「でも、まだ待って欲しい。俺はまだ未熟で、フラウに幸せになってもらう自信が無い。それに、俺の故郷だと、一夫多妻制は認められて無いから、正直に言って、2人同時に受け入れられるかどうか、ちょっと倫理観的に問題があるんだよ。」


言い訳がましいが、何人でも結婚しておっけーという、とんでもない状況に放り込まれて、聡自身は少し抵抗があるのも事実である。


「…なるほど。では、一つだけ覚えておいて欲しい事があります。」


「えっと、何でしょうか?」


「私がもっとも幸せなのは、サトシ様と共に過ごすという事です。」


「そっか。そう言ってもらえると、嬉しいよ。」


抱き締めてた腕の力を緩める聡。その瞬間、フラウがするりと動いて、小悪魔風な笑顔を浮かべる。


「え?」


「隙あり、です!」


「あ…んんん。」


何かを言う前に、唇を塞がれてしまう聡。


ーまだマトモに返事も返してもないのに!ー


聡の叫びは、声にならずに、そのまま数分間は、フラウの好きにさせるのだった。

うわあああああああ!!今なら削○ビームを出せる気がします!

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