表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/129

第112話 顔が熱いです

2分前に書き終わったので、いつもより誤字脱字がありそうで怖いです…。

「あ…。」


聡の耳に、フラウの驚いたような声が入るが、それに反応する余裕も無く、ただ呆然とする。


10秒くらい唇が触れるだけのキスをし続けて、エーリカから先に離れる。


「…ん。やっぱり私、サトシの事が…。」


「い、いや、急に一体何を!?」


少し頬を赤らめながら呟くエーリカに、聡は顔全体を真っ赤に染めながら叫ぶ。身体まで真っ赤になってるんじゃないかと思うほどである。


「怒ってる?」


「いや、別に怒っては無いけど、どーして急にこんな事したのか、説明が欲しい。」


「こんな事って?」


「は?いや、だから…何言わせんねん!」


驚愕して混乱する聡に対して、異様に落ち着いてるエーリカは、随分と余裕がありそうだ。それがますます聡を困惑させる。


ー俺なんかにキスして、一体どういうこっちゃ!?しかも、その後に、何好きな人にキスしたみたいな反応するしてるんだ!?ー


ここまで来れば、流石の聡であっても、エーリカの感情を薄々察せられたが、頭が茹だってる為か、その事実を自分の中で折り合い付ける事が出来なくなっている。


「な、何だって急にこんな…。」


手足が震える中、落ち着ける場所を求めたのか、身体が勝手にソファに向かい、そのまま腰掛ける。それと同時に、アイテムボックスから普通に(・・・)に暖かい紅茶を取り出し、ほっと一息つく。


「…えぇと、つまり、どゆこと?さっきのは、ただの事故って事で良いかな?」


カップを置き、エーリカから目を逸らしながら、アホな事ぬかす。よっぽど大混乱を起こしている証拠であろう。


「よ、良くないわ!確認の為に、最初は頬にしてもらうだけのつもりだったけど、サトシが逃げたから、もう良いやってなって、狙ってやったの!」


「確認?一体何の?」


勇気を振り絞ったキスを事故扱いされ、憤慨しつつも抗議するエーリカの言葉に、気になる部分があった聡。


顔を上げて、エーリカの方を見ながら聞くと、彼女は目が覚めるような、そんな綺麗な笑顔を浮かべながら答える。


「私が、サトシの事を好きなのかっていう事よ。サトシには悪い事したと思ってるけど、お陰で理解出来たわ。」


そう言うと、屈みながら聡に顔を近付け、蕩けるような声音で囁く。


「私は、サトシの事が好きなの。」


「…はい?あ…むぐぅ!?」


急にそんな事を言われて、唖然としながら目を見開いていると、一気に顔がゼロ距離になり、今度は唇を力強く押し付けられ、更には吸われるような感覚まで感じる。


「…ぷはぁ、はぁはぁ。何でまたした!?」


初めての感覚に、聡は戸惑いながらも責めるような声を、エーリカに向ける。恋人でも夫婦でも何でも無いのに、こんな事をするなんて、倫理的にどうかと思うのだ。


「ふぅ…。好きって言葉に出したら、何か抑えられなくなっちゃって。」


息を整えながら、妖艶に微笑むエーリカ。


「…まだ知り合って、全然時間が経ってないと思うんだけど?しかも、俺なんかの何処が好きなんだよ。」


聡は鼓動が早くなるのを感じながら、それを押さえて聞く。エーリカが軽い気持ちでこんな事するとは思ってないが、何で自分なんかにという思いが強いので、額に深くシワを寄せながら聞く。


「説明すると、少し長くなるんだけど、良い?」


「良くありません!何で急にこんな空気感になってるんですか!?ほっぺにキスしてもらうだけって、言ってたじゃないですか!」


聡の疑問に答えようとしたエーリカに、今まで空気と化していたフラウが噛み付く。頬にキスをするという事自体は、フラウも公認の元で計画されたのだろう。しかし、普通に接吻するのは予定に無く、彼女自身も大混乱の最中なのだ。


「…フラウさんもする?」


「し、しません!今はそういう事を話すんじゃ無くて、『鏖殺』について、どうなったのかを話してもらう方が先なんじゃないですか!?サトシ様も、その事をルドガー様に報告しに来たのでしょうから!」


「…そういやそうだった。すっかりエーリカのペースに呑まれてたわ。」


『まさかフラウもか!?』と一瞬思った聡だったが、直ぐに『別に好かれるような事してねぇ』と思い当たり、大人しくその話を聞いていると、本来の目的があったことを思い出す。


「今、『鏖殺』を部屋の外に転がしてるんだったわ。よし、さっさとルドガーさんの所に行こうぜ!」


これ幸いとばかりに、聡はソファから立ち上がって、流れるように部屋を飛び出す。


「あ、サトシ!後でちゃんと話すからね!」


「…。」


大慌てで部屋から飛び出した聡を追うエーリカと、その背中を無言で見つめるフラウ。


フラウの目には、羨望や困惑など、複雑な感情が絡み合って浮かんでいたが、聡は一切気が付く事が出来なかった。

今までの分を取り戻すかのように、最近は暑いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ