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第105話 鏖殺(4)

今回は、あの村が登場です。

「さてと、探索を開始するか。」


聡は、消失したらしい村の跡地で、地図を手に、辺りを見回していた。


「うわぁ。基礎ごと消し去られてるやん。」


ぽっかり窪んだ地面を見て、聡は呟く。結構大きな物でも簡単に消せるようで、地方の公民館ぐらいはありそうな面積の地面が窪んでいる。元は村長の屋敷だったのうだろうか。


「う〜ん。何の目的で現れたのかは分からないけど、普通に次は他の村に行ったのか?なら次はこっちか。」


地図を頼りに、この村から一番近い村の方角を見つけ、聡は大地を駆ける。


およそ10分後には、次の村の跡地(・・)だった場所に、聡は到着していた。


「これは…。何かを探して動き回っているのか?この付近で、国の暗部が興味を持ちそうな物は…。魔王城か?まさか、結界が解除された事が、既にバレているのか?だとしたら、この村の次は、魔王城の方角に向かったか!」


聡は必死に脳を働かせながら、考えに考え、敵の目的が魔王城だという結論に至り、慌てて次の目的地へと走り出す。


「次は…あ、やべっ!エンデ村やん!」


聡は地図を見ながら驚愕する。どのぐらい前に、先程の村が消されたのかは分からないが、既にエンデ村にも被害が及んでいる可能性があるので、聡は最速で向かう事にする。


「【魔法創造(マジッククリエイト)瞬間移動(テレポート)】!」


脳内にエンデ村の風景を思い浮かべ、地図上で位置情報を補強し、魔法を発動させる。

すると聡は、淡い光に包まれながら、その場から姿を消す。


「いよっしゃあ!成功だ!異世界で使ってみたいランキングでも、やっぱ【瞬間移動(テレポート)】は、上位に来る魔法だよな!」


こんな状況だというのに、 不謹慎にも喜んでしまう聡。


「おっと、こんな事してる暇は無いんだった。村は…無事か。なら、さっさと伝えないとな。」


エンデ村から少し離れた地点に転移したので、聡は遠目に村全体を見て、どこも消えてないので安心する。


聡は小走りで門に駆け寄るが、初めての時に矢で射られた事を思い出し、その地点で立ち止まって合言葉を叫ぶ。


「えっと、『エンデ村は最強の村です』!」


少し恥ずかしいが、仕方が無いので大声でそう叫ぶと、門が勢い良く開かれ、村の中から金色の髪の毛と同じくらい、笑顔をキラキラさせながら、少女が飛び出して来る。


その少女は、聡の目の前で急ブレーキをかけて止まると、ニコニコしながら口を開く。


「サトシさん!お帰りなさい!」


「…あぁ、ただいま!」


『お帰りなさい』という言葉に、聡は少し驚くが、何より嬉しいので、笑顔を浮かべて返す。


「それで、どうしたの?もしかして、村への永住を考えてるとか?」


「い、いや、残念ながら、そういう訳では無いんだ。」


のっけからとんでもない事を言ってきた少女、イルマに苦笑いしながら、聡は村へと歩き出す。


「そっか、残念。」


どうやらおべっかでは無く、本気で言っているのか、本当に残念そうにしているイルマに、聡は言いづらそうに話を切り出す。


「えっと、マリウスさんは居るかな?」


「うん、居るよ?何か、嫌な予感がするって言って、農作業は休止するって。」


聞くと、昨日辺りから嫌な予感がしたらしく、今日は村人が外に出る事を固く禁じてるようで、マリウスは村の中で身体を動かしたり、雑用したりしているらしい。


「やっぱ、マリウスさんの勘は良いね。外に出なくて正解だよ。」


聡は頷きながら、感心する。だが、それはつまり、この村にも『鏖殺』が手を出す可能性があるという事だ。のんびりもしてられないので、聡は少し足早に村へと入った。


「おぉ、サトシじゃないか!」


「もう帰って来たのか?」


「ははは…。ちょっと野暮用があるんですよ。」


村のオヤジたちから、歓迎されて、悪い気のしない聡は、細かい事は言わずに、笑いながら来た理由は誤魔化す。


「ところで、マリウスさんはどこですか?」


戦闘は見せないにしても、一応危機が迫ってる事くらいは伝えるべきだろう。

そう思って聡は聞く。


「あ〜、マリウスさんなら、家に戻ってる筈だぞ?」


「そうですか。ありがとうございます。」


「おう!時間が出来たら、飲もうぜ!」


「次こそは潰してみせるからなぁ!」


「はい、時間が出来たら!」


呑気に飲みに誘って来るオヤジたちを、軽くあしらいながら、マリウスの居るはずの家に向かう。


「サトシさんは大人気だね。」


「あははは。嬉しい限りだけどね。…ホントなら、もう少しゆっくりしたかったんだけど、それはまた今度だな。」


「…あれ?何か人当たりが良くなった?口調が自然というか。」


聡のちょっとした口調の変化に、イルマが目敏く気が付いたようだ。


「ん?そう?まぁ幾分か人と、仲良く話す機会があったから、元の口調に近付いてるだけかな。」


ルドルフとあまり神経使わない会話だったり、エーリカやフラウとの会話、更には旧友である一輝との電話もあり、すっかり人との会話の仕方を思い出して来たところである。


「そうなんだ。…うん、そっちの方が良いと思うよ。」


笑顔でそんな事を言うイルマ。

こうして2人は、並んで歩いて行くのだった。

『がっこう〇らし!』というアニメ見ながら、執筆してました。可愛い女の子達が登場して、学校内で楽しく暮らしたり、学校行事(?)を楽しんだりするほのぼのアニメです。

皆さんも是非、見てみて下さい(鬼畜)。

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