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勇者とバナナと練乳と  作者: フェフオウフコポォ
旅の始まりとバナナ

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32/58

32話 旦那様と呼ばれているよ

 幼女から突然発せられた言葉を理解する前に『主従之契約』を思い出す。

 『主従之契約』とは、相手の心を折り服従行為を取らせた後、心が揺れ動いている時に新たな名を与えて改名させる事で発動する能力。

 そしてこの能力は一度発動すると名づけた者を『従者』として従え使役する事が出来るようになるという、とんでもない能力だ。


 とりあえず、全てを一旦置き去りにして、今回の俺がした一連の流れを思い返す。


 相手の心を折る。

  ↑

 バナナ無理やり食わせた事だろうか。超速度で移動したりして驚かせたりもしたな。

 拘束したりして身動き一つ取れない状態にもしたし、自分の力でバナナ一つ食えない状況が辛かったのかもしれない。


 服従行為

  ↑

 四つん這いで『バナナをください』と言わせたな。


 心が揺れ動いている時

  ↑

 マツタケコの話からすると、SだったのにM気質開眼しちゃったとなれば動揺もするわ。


 改名させる

  ↑

 まんま。


 って事なのか?

 なんて緩い審査基準なんだ! それでいいのか!? 俺のスキル!


 溜め息を漏らしつつ、改めて國主ことロウリィに鑑定をかけてみる。


 --------

 名前:ロウリィ バッバ

 種族:ヤーマンッバ人(ロリババァ)

 職業:ヤー・マノサッチ國主(主:ヤベエ)

 レベル:81


 HP:695/645

 MP:542/792

 物攻:202

 物防:246(+15)

 魔攻:289

 魔防:235(+30)

 速度:273

 幸運:198


 装備:ハダジュヴァン

 スキル:鬼頭流格闘術 松竹拳2~10倍

 超ヤーマンッバ人 超ヤーマンッバ人2 超ヤーマンッバ人3

 覚醒変化(成熟体) M気質(小) 勇者(超越)の従者

 ステータス:喜び(中)

 --------


 名前変わったのは、もういいけども……どうしようこれから。

 國主の主って、俺の立ち位置は一体何になるんだ?


「ほう……おんしは勇者を超越したものじゃったのか。

 それならば強さも納得よの……それにまさか我を改名し従えて旦那様となるとはのう……クックック。

 いやいや、これは驚いたものじゃ。」


 自分のステータスを確認したロウリィが、まるで大したこともないかのように平然と笑いながら声をかけてきた。


「なんか……言う程驚いてる感じもしないんですけど?」

「まぁ、この国は力こそすべてじゃからな。

 我はおんしに負けた故どうなっても仕方ないと覚悟しておったからの。」


 マツタケコは俺達の会話に状況が掴めないのか混乱し、顔を右往左往させている。

 その様子を見たロウリィは少し考え、マツタケコに向けて力強く言い放った。


「國主たる我はヤベエに敗れた! 完敗じゃ!

 そして我より強きヤベエを我があるじと認めヤーマノサッチに迎え入れる! マツタケコよ皆にこの旨を伝えて参れ!」


「ハっ! ただちに!」

「ちょっ、あるじって!?」


 俺のセリフを気にすることなくマツタケコは瞬時に立ち去った。


「我の旦那様と言うことじゃな……なんぞ不服か?

 國主の主なのじゃぞ? つまりおんしが……いや、旦那様が國主のようなモノじゃ。」


「ちょっと待って。俺まだ結婚とかそんなのする気ないよ!?」

「そんな形式なんぞこの国では誰も気にせんから問題ないわ。旦那様は特に気にせず思うままに振る舞い、そして我と子を成せばよいのじゃ。」


 ドヤ顔で無い胸を張るちんちくりん。

 俺はただじっとロウリィを見る。


「…………いや俺、幼女趣味は無いんで。」

「うふん。この体ならキっツキツじゃぞ?」

「ちょっと! 変に生々しいこと言わないでっ!」


 俺の反応を見てロウリィは軽く溜め息をついた。


「今まで我は負けることもなかったからの……実は未だに清い体のままなのじゃよ。じゃからな……正直なところ、もうな、ヤってみたくて仕方ないんじゃよ。うぇへへへへ。 ほれ! なんなら今すぐ一戦どうじゃ?」


 幼女が肌襦袢を脱ぎ始めた。


「ちょっちょっちょっ! だから俺、幼女を弄ぶような趣味無いからぁっ!」

「じゃあ、コッチならどうじゃ? はぁっ!」


 ロウリィは覚醒変化をし、一気に身体が成熟した女性の状態へと変化していく。


 銀髪のロングヘアーに均整の取れた顔。透き通るような白い肌。

 身長は高くも低くもないが胸や尻は十分すぎるほど育っている。

 魅力的にも程がある。


「ほぉれぇ……どうじゃ旦那様よ? この体をおんしの思う通り、好きにしていいんじゃぞぉ?

 我ものう……先ほど夢うつつに、旦那様の声が聞こえていたような気がするのじゃ。その時のように身体だけでなく言葉でも沢山攻められたいのじゃぁ……のう、旦那様。ダメかえ?」


 ほんのりと頬を染めながらすり寄り、魅力的な提案をしてくるロウリィ。


 ただし、このロリ。


 ……65歳である。


「お、俺も清い体だけど初体験はもっと好きあった感じがいいんです! あと! できれば同年代がいいんですーーっ!!」


 俺は気が付いたら四つん這いになり、そして悔し涙を流しながら叫んでいた。

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