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勇者とバナナと練乳と  作者: フェフオウフコポォ
旅の始まりとバナナ

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21/58

21話 掘り出し物発見だよ


 みんなでニコニコ楽しく公園でお弁当食べる。

 なんとなしに水筒に魔力付与してみたら美味しすぎる水になって取り合いになったこと以外はおかしなこともなく、とりあえず一人だけ弱いニンニンの装備を補強する為の残金を確認してみると、あと3万エン゛ッほどは使っても問題なさそうだったので、市場へ行き買えそうな材料を漁ることにした。


 そしたらニンニンのステータスが『喜び(大)』に変わってた。

 ニンニンちょろすぎ。


 ただ、残金がどんどん減ってる。

 これは本格的にヤバイ気がするので『なんか働き口作んねーとな』と思いつつ黒の集団で市場を回る。


 市場に入るとアンネ達の買い物が早かった理由がわかった。

 市場がペンションの向かいだったのだ。


 ただ……アンネが値切りすぎた弊害か、アンネの顔を確認した商人達が皆一様に慌てながらバタバタと店を閉めたり片付けを始めたりし始めたのだ。


「我ながら短絡的な行動をしたものです。」


 そんな光景に、さも残念そうに小さくため息をつくアンネ。

 『並列思考で変わりすぎだろ』と少し思いつつも、正直こっちのアンネは安心感があって助かる。


 かろうじて噂の及んでない店に足を運び、店主に予算を伝えつつ、なにか武器の原料になりそうなものが無いか聞いてみた。

 すると、店主はいくつかの鉱物を見せてくれた。


 『本当に原料だな』と思いつつも、鑑定しつつ色々見る。

 店主に『売り物にならなくてもいいから、とにかく安い物』とリクエストしてみると俺にごみ箱のように乱雑に物が入った箱を見せてくれた。


 だが俺の鑑定で、その箱の中にとてつもなく引っかかる物があった。


「……ダイヤだ。」


 思わず呟いてしまった。

 何度鑑定しても間違いない。


 超掘り出し物だ。

 いや、この世界ではゴミなのだろう。


 元の世界でも、ダイヤは広告で宝石として知られるようになったと聞く。ダイヤに合わせたカットができて、ようやく綺麗に見えるから価値が後付されただけ。

 この世界では綺麗に見せるカットもなく利用法もないとなれば、ただのゴミと扱われて当然なのかもしれない。


 とりあえず3万エン゛ッで全部譲ってもらった。

 アンネ達が『え? ゴミ買うの?』と訝し気な顔をしていたが、その顔からもダイヤが知られていない事がよく理解できた。

 とても残念そうな人を見る顔をしていたのだから間違いない。


 ダイヤはきちんと加工すれば、宝飾品としても活用できるし、硬さをいかせば色んなものに使えるはず。はやる気持ちを抑えきれず、足早にペンションへと戻る。


 部屋に戻りすぐさまゴミを一粒取り出し、頭の中でブリリアントカットと言われている美しく均整のとれたカットをイメージする。

 するとスキルにより、すぐにその形をしたダイヤと端材に姿を変えた。


「OH! ブリリアンツっ!」


 そう叫びながら、とりあえず価値を理解してくれそうなアンネに渡して見せる。

 アンネはマジマジとカットされたダイヤを観察し、そして何かに気付いたような表情で俺を見た。


「買い占める必要がありますね……いや、むしろ産出元を抑える方が先か。」


 自問自答するようにブツブツと一人ごちながら思案に暮れ始めるアンネ。

 俺はとりあえず、次から次へと手当たり次第に未加工を加工後のダイヤへと変えていく。

 お金になりそうな物が嬉しかった。ただ嬉しかった。

 じゃらじゃらと出来上がってゆくダイヤを手で掬い上げて落とし、その輝きに顔が勝手にニヤつく。


 様子を見ていたニンニンが口を開いた。


「それもいいでゴザルが……拙者の武器もお願いでゴザルよ……」


 少しだけ涙目の上目使いだった。

 ダイヤの興奮で忘れていたが、ようやく本来の目的を思い出し、とりあえずダイヤの端材とニンニンの短刀を借りて、ニンニンの新武器ダイヤコーティングの短刀を想像してみる。


 ダイヤの端材と一部の未加工ダイヤ、そしてニンニンの短刀が消滅し、そして輝かんばかりのギラギラとした刃と豪華絢爛な装飾の柄の短刀が出来上がった。すぐに鑑定してみる。


 金剛短刀

 物攻:+120

 魔攻:+120


 うっわ。

 えらいもんができた。


 ニンニンが尊敬のまなざしで俺を見ているので、ニッチョリ微笑みながら金剛短刀を手渡すと歓喜の声が上がった。


 まだ端材が残っていたので、イモートの仕込みナイフを借りて、全部改良する。


仕込み金剛ナイフ

物攻:+320

魔攻:+320


8本もあるので、1本当たりプラス40の補正というところなのだろうけれど、8本の合計が人の限界ステータスを超えてきた。やべぇ。


 新装備や金策、策謀に全員のテンションだだ上がりにならざるをえない。

 そんな中、部屋のドアをドンドンドンドンと叩く音が響く。


 すぐにアンネが確認に行くと、そこにはゴリラの姿があった。


 ちがう。

 あっせん所の所長クロウニンのオッサンがいた。


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