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9、有紀理の目的 2017年4月23日 23時

有紀理は前に現編集長に紹介してもらった元編集長つまり現在の出版社社長を呼び出し、言葉巧みに乗せてホテルまで行きついていた。


「有紀理ちゃん、いいのかい?」

「何がです社長」

「私はこんなことされなくたって君の記事は素晴らしいと思っているよ」

「そういうことではないですから」


 有紀理はそう言うと社長にキスをした。そしてそのまま。有紀理は社長に気づかれないようにスマホを持ち出し写真を撮った。出来るだけ多く。それを安全な場所へしまい再び社長の元へ。そしてこう口にした。


「・・・あなたですか」

「ん?何?」

「父を殺したのはあなたですか?」

「・・急にどうしたの」

「18年前、あなたはある記事をもみ消した・・。記者としての心を金で捨てた」

「・・・君は」

「証拠を全て・・・人ごと隠滅して」

「・・俺は殺してない」

「あなたが殺したも同然よ」

「お前が殺したのか」

「・・・」

「自殺に見せかけて、親父と同じ方法で」

「だったら何?」

「産科部長が親父を殺した証拠はあるのか」

「さあね。でも、殺したのと同じよ」

「ふざけるな」

「あたしを警察に突き出す?いいわよ。でも、あたしは本当に全てを話すけどね」

「どこまで知っている」

「部長とあなたと・・・もう一人いるはず」

「・・・」

「父がどんな記事を書いたのか・・・知りたいけどどうしても分からない。でもいいの。あたしは、あんたたち3人が父を殺したんだと分かればそれで十分だったから」


 有紀理はそう言い切ると再び社長の方へ向き直った。


「さあ。あなたにも死んでもらおうかしら」

「や・・やめろ。分かったから・・。今日のことも、部長のことも何も話さない。頼む・・殺さないでくれ・・!」


 有紀理は意外過ぎるほどあっさりと凶器を下ろした。


「絶対ですよ。約束破ったら・・・すぐに殺しに来ますから」


 有紀理はそう言うといつの間に準備していたのか、荷物をすべてまとめて出ていった。社長はしばらく動けなかった。


翌日の早朝、有紀理は出版社に居た。

「社長スキャンダル!不倫と共に判明した衝撃の性癖!」

頃合いを見計らって呟きながら大量のビラをばらまいた。


「殺したわけないじゃない」 

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