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28、決意の朝3 2017年4月27日 9時45分

 ピアノが爆発するのを見た菜穂はすぐに入り口から離れピアノに近づこうとした。でもたどり着くまでの一瞬の間に予想外のことが起こった。来宮が人質に取られたのだ。ロビーにいた大勢が一斉に騒いだせいで菜穂が叫んだ声はかき消された。すぐに殺すようなことはしないと判断した菜穂は神坂の元に戻った。その間に、恐らく双葉を捕まえに来たであろう深川と綾香は対峙していた。そこで爆弾が他にも仕掛けられていることが分かる。


「神坂くん」

「はい」

「出来れば、爆弾探してほしい」

「え?僕がですか?」

「うん。解除しろとは言ってない。ただ6個もあるから。処理班が来る前に場所だけでも把握しときたい」

「なるほど」


 深川に宣言をして2人がロビーの入り口の前に戻ってくるのが見えた。


「あ・・。じゃ、よろしくね」

「え?磯山さんは・・」


 菜穂は神坂の返事を聞く前に一階に降りていった。綾香と来宮の2人はガラス張りの入り口ドアの前にロビー側を向いて立っている。つまり、外にいる深川からも様子は見えていると思われる。ロビー1階は爆破されたピアノの周りと入り口付近を避けて人で溢れている。病棟には重傷患者と一部のスタッフが残っている。もしこの状況で爆発したらまずいことになる。綾香と来宮の前に出ていった。


「やめときなさいよ」

「・・・誰よあんた。大人しくしてないと」

「警察です」

「磯山・・・!」


 菜穂は警察手帳を出しながら言った。


「勝手に!」

「ピアノコンサート、最高でしたね」


 そう言うと綾香は冷静になった。


「初めからこの中で見てたの?」

「はい」

「なんで今・・」

「こんな大きな病院、爆破されたら大変だから」


 菜穂は綾香を観察していた。もし。願いが叶わなかったら。本当に来宮を殺し病院を爆破するかもしれないと思うほど、本気の眼だった。


「警察とは思えない理由ね」

「でも本当のことだから」

「・・・やっとここまで来たの。もう引き下がれない」

「でも・・・意味は無いかも」

「何が言いたいの」

「分かってるでしょ。警察の本音・・・」

「・・・」

「でもあえて・・この方法を選んだ」

「・・・」

「警察を試す為に」


 2人の女性が互いににらみ合っている。いつの間にかロビーは静寂に包まれ、対峙する2人の女性に注目が集まっていた。

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