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21、助けたい気持ち 2017年4月26日 9時

 有住は役所の人間に頼み事をした後、情報の洩れ口がどこなのか考えた。そして最近家に出入りするようになった凛久について調べた。


 凛久はいつもと同じように廊下を歩いていた。そこへ有住が声をかけてくる。


「おい」

「・・・はい」

「ちょっとこっちに」


 有住は凛久を自分の書斎に連れ込む。


「・・・お前」

「・・・」

「正体はもう分かってるんだ」

「・・・」

「このままだと・・・どうなるか分かるよな?」

「・・・」

「もし・・・黙れないというのなら、生きててもらったら困るんだよ」

「・・・・」


 凛久が何も答えないでいると有住は近づいて圧力をかけてくる。


「どうする?」

「・・・・・・私は」


 凛久が答えようとしたその瞬間、外から甲高い叫び声が聞こえた。


「キャー―――! 咲楽ちゃん、大丈夫?!」


 その声を聞いて有住の注意はそちらに向く。


「何だ!?」


 有住がそう言う間に凛久は既に走り出していた。


「おい待て!」


 有住もその後を遅れて追いかける。外に出て三階の窓が面する道路に出ると咲楽が倒れていた。


「咲楽さん!」

「・・・凛久さん・・」

「何してるの?!」

「逃げて・・・」


 咲楽は弱弱しい声ながらしっかりと目線を凛久に向けてそう言った。


「えっ?」

「早く・・・!来ちゃうから・・・」


 後ろを振り返ると有住が追いついてきていた。


「咲楽!・・・・おいっ!待て!」


 咲楽の想いを受け取り、凛久はその場を離れた。


「くそっ・・! 咲楽!大丈夫か?!」


 有住はさすがに咲楽に付きっ切りで凛久を追ってくることは無かった。凛久はメイド服のポケットに入れていたスマホと、もしものためにと坂原から渡されていた神戸までの新幹線代だけを持ち、ほぼ身一つで有住家を去った。


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