表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/38

12、動揺と新たな疑惑 2017年4月25日 13時

 刑事と会った翌日、日々の業務に忙殺されていつの間にか昼を回っていた。


「先生、お昼食べないの?」

「!・・ああ」

「ふーん。そう」


 ダメだ。さっきあの女から聞いてしまったことが頭をよぎる。まさか・・・まさかあいつが産科部長の愛人だったなんて・・。ショックだ・・。


「ちょっと先生・・・。そんなところでへたり込んでないで休んで来たら?」

「そうだな・・・」


 しばらくお前の顔は見ない方がよさそうだ。と言うわけで俺は休み時間を使って坂原の事務所に行った。



「何落ち込んでんの?」

「え?・・・なんもねえよ。それより、娘探しどうなった?」

「ああ。潜入捜査中」

「潜入捜査?」

「有住不動産にね」

「有住不動産・・?」

「関東では超有名な金持ちだよ。」

「なんでそんなとこに」

「白野礼子の娘は、有住不動産の娘かもしれない」

「・・どういうこと?」


 説明を聞いて納得した。にしてもまた愛人かよ・・・。


「で、東京だろ?お前どうやって潜入してんだよ」

「俺が潜入してるわけないだろ。」

「・・・お前、りっちゃん!」

「助手なんだから良いでしょ」

「これ、池橋知ってんの?」

「さあ。急だったから言わずに行ったんじゃないかなあ。」

「・・・バレたら大変だぞ」

「大丈夫だよ。そんな長い間潜入させるわけじゃないし」

「・・あっそ」

「何その反応。来宮が頼んできたことを調べてるんだよ?」

「はいはい。ありがとうございます」

「やっぱ機嫌悪くない?なんかあったの?」

「・・・産科部長が死んだろ?」

「・・ああ。うん」

「それで女刑事に捕まっちゃってさ」

「え?来宮殺したの?」

「違うわ。だったらこんなところに居ないだろ!そういう意味じゃなくて。協力してくれって言われてさ・・・」

「ふうん。警察も大変だね」

「いや・・まあいいや。で、その女がさ・・。部長には愛人がいたって言うんだよ」

「うん・・。で、それが斉藤さんだったんだ」

「お前・・!なんで知ってるんだよ」

「いや今の流れだと知らなくても分かるよ」

「・・・」

「まあ。人間いろいろあるよ」

「で、その女刑事、斉藤が部長を殺したんじゃないかって疑ってんだよ」

「はあん。まあ、愛人が殺しちゃう事件も無いわけじゃないもんね」

「あいつは絶対そんなことしないよ」

「でも・・。その刑事単独行動してるの?ちょっとどうなんだろ・・・」

「なんとか、あいつの疑惑を晴らしたいんだよ」

「・・・新たな依頼ってことでいい?」

「そうだな。協力してくれ、俺に」

「来宮は刑事に協力して、僕は来宮に協力するの?」

「回りくどいこと言ってんじゃねえよ」

「まあいいや。丁度さ、新たな容疑者が生まれそうな情報があるんだ」

「え?」

「りっちゃんが送ってきた情報」

「そっちのことと関係あるのか?」

「それがさ、バリバリ関係ありそうなんだよね」


 俺は不敵な笑みを浮かべる坂原の話に聞き入った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ