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小太郎

小太郎 怖いもの

作者: eiji

「母ちゃ〜ん!」

「どうしたの?」

「これ…」

「歯が抜けちゃったか…」

「ご飯食えないぞ…」

小太郎 乳歯が抜ける…


(あきら)ちゃん!おはよ!」

「太郎ちゃん おはよ…歯!どうしたの?」

「取れちゃった」

小太郎5歳 秋


「小太郎!どこ!歯医者行きますよ!」


「あれ?さっきまでここに居たのに…」

小太郎 トイレに籠る…


「小太郎!早く出て来なさい!」

「母ちゃん…腹痛い…」

「全く…歯医者行きたくないからって…」

出て来ない小太郎…

「あっ!晶ちゃん いらっしゃい!」

ガチャッ

「晶ちゃん!来たのか!」

「はい!捕まえた!歯医者行きますよ」

「母ちゃん!ずるいぞ!」


渋々 歯医者に来た小太郎

キィーー!

小太郎はこの音が嫌いだ

「あーあーあーあー」

「小太郎 静かにしなさい」


「小太郎く〜ん」

「は〜い」

母ちゃんが答える

「ほら 小太郎」

「俺 返事してない…母ちゃんが返事したんだから 母ちゃんが行って来い!」

ペシッ!

「くぅ〜!すぐ叩くんだから…」


「先生 他にもグラついてる歯あるんで いっその事抜いちゃって下さい」

母ちゃんが かなり余計な事を言う

「歯医者の先生!俺 なんともないから帰るぞ!」

「小太郎…座りなさい…」

母ちゃんの 怖いモードの声 で渋々椅子に座る小太郎


「小太郎くん 痛くないから すぐ終わるからね」


「歯医者の先生の嘘つき!痛いし 時間かかったぞ!」

歯医者に文句を言う5歳児


「それじゃ 明後日また来てください」

「はい」

勝手に返事する母ちゃん


「母ちゃん!明後日 俺用事あるから母ちゃん1人で歯医者行けよ!」

「小太郎…」

怖いモードの声…


「はぁ…」

「太郎ちゃん どうしたの?」

「歯医者…」

「太郎ちゃん 歯医者怖いの?」

「怖い…」

怖かないやい!と言えない小太郎

「あっ!」

何か閃いた小太郎



「小太郎!行きますよ!」

「おぅ!」

潔く現れた小太郎の頭には 魔法の兜が…

「小太郎…まさかそれで…」

「おぅ!これで行くぞ!」

冒頭に書いたが 今は 秋

歯医者までの道のりを 歯医者退治するぞ!そう 堂々と歩く小太郎

行き交う人々から なるべく見えないように バックで 兜を隠そうと必死な 母ちゃん


「小太郎…それ 取らない?」

「取るなら 歯医者行かなくてもいいか?」

「…」

脅す?小太郎…


歯医者の待合室で注目を浴びる小太郎


「小太郎くん!」

「おぅ!母ちゃんはここにいろ!」

「小太郎…1人で大丈夫?」

「大丈夫!」

1人で診察室に入る小太郎


診察室から聞こえる 先生の笑い声


「母ちゃん!痛くなかったぞ!」

「小太郎 頑張ったね」


小太郎と母ちゃんが 会計を待ってると

3歳くらいの男の子が 母親に抱かれ 泣きながら入って来た


小太郎はその子に近づき声をかける


「歯医者怖いよな」

「…うん」

「これやるぞ!」

小太郎は 魔法の兜をその子に被せた

「これには 魔法がかかっていて 強くなれるんだぞ!」

「お兄ちゃん ありがとう」



「小太郎 いい事したね」

「母ちゃん 父ちゃんにもう一回送ってもらって!それまで 歯医者は行けないぞ!」


どこまでが 計算だったんだ小太郎…


翌朝 テーブルの上には 新しい兜が…

小太郎が寝た後 母ちゃんが作っておいていた…

一枚上手の母ちゃんだった…







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