かいぎつね
この話を書いていて、何故か大学いもが食べたくなってきました。
聞くとその少女は、200年前に罪を犯して小銭の付喪神にされていたらしい。まあ何の罪かは教えてくれなかったが。
「だから私、紺太さんよりも年上なんですよ!」
「ババァじゃねぇか。」
「ば、ばばぁってひどいですよ!」
桃色の頬がぷっくりと膨れる。
「それでどんな用なんだ?」
「あ。はい…実は私、3日前に人間に戻れたので、家に行って見たんです!…でも家のあった場所には大きなビルが建ってて…」
「無くなってたのか。」
「そうなんです…」
「ちなみにその家ってのはどこにあるんだ?」
「金座の博打街っていう場所です!」
金座というのは昔から金銭のやりとりが盛んな街で、昔は若者が賭け事を楽しみたいそう賑わった場所だ。
「博打街の大きいビル…もしかして、お前百条屋の娘か!?」
「そ…そうですけど…知ってるんですか?」
「知ってるも何も、俺はそこで飼われてた狐だ!」
「狐…あ、もしかしてコンちゃん!?」
百花が驚くのも無理はない。俺がまだ化け狐じゃない頃…720歳くらいの頃の話だ。俺はある男に拾われて百条屋っていう大きな博打屋で買われた。当時金座を納めるような桁違いの財力を持っていて、その家の娘が百花だ。
「いやぁ、懐かしいな!あの時いなくなって寂しいと思ってたら、そういうことだったのか!」
「へぇーえ、コンちゃん寂しいと思ってたんですかぁ?」
「う、うるせぇ!あとコンちゃんって呼ぶな!俺の名前は紺太だ!」
「はいはい、わかりました紺太さん!」
「そうか…百条屋はもう潰れちまったのか…」
「それで…お願いがあるんですけど…」
「なんだ?」
「…私を…このお店に住ませてください!」
余談ですが、百花のお父さんは「百条十衛門」と言います。昔らしいお名前ですね。