成人の日
初投稿です。
アリアス・ヴィクト、私は貴族だ。
ただそれを知ったのは、この世界に生を受けて16年。
この世界で言う、成人になった日のことである
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チチチッと鳥がさえずる
麻で作られた少し固いシーツ
私はこの感覚が嫌いではない、昨日、陽に照てたからだろうか……
いつもの埃っぽさが無く、自然と深い呼吸をする あぁ、意識が遠く……
「起きなさい、アリス!」
「っ!?」
扉越しにもかかわらず、美しく澄んだ声が聞こえ、途端に意識が覚醒する。
美しい声は、私の母 メルリ・ヴィクトその人のものだ。
『アリス』とは私の愛称だが、呼びやすいことで、寝起きには重宝するらしい。
お腹から声が出るのだ。
「……おきます。おきますから、余り大きな声を出さないで下さい……、あぁ、小鳥さん達が」
大きな声に驚いて飛び去っていってしまった小鳥達を見やりながら、残念な気持ちになる。
いつもはもう少しゆっくりしながら、早起きの小鳥を観て一日の元気を養うのだが…
今日は、そうはいかないらしい。
「もぉ、ダメじゃない!昨日あれだけ言っておいたでしょ、明日は忙しいって!」
扉越しに聞こえていた声が、カツカツとういヒールの音と共に近くまできて立ち止まる。
いつもなら勝手に扉を開けたりしない母がである、珍しいことこの上ないが、今は目を瞑るとしよう。
何せ今日で私は16歳、晴れて後見人の要らない成人の年だ。
そんなことを考えながら、ノロノロとベットか這い出す。少しでも動かないと、今度こそ母が淑女らしからぬ行動を取ってしまわないとも限らないからである。
「早く食事を取っちゃわないと、ドレスが着られなくなっちゃうわ!今日は、とびっきりの美人さんにしてあげるんだから!」
母はニコニコと、嬉しさとウキウキがにじみ出るどころか溢れ出ている。
「お母様……今日はふんわりとしたド「「アリスは私に似て、美人さんだし胸があるから……」」
……あの、地獄のコルセットからは逃げられない
(あぁ、今日の食事はろくに入らないだろな…)
悲しいかぎりだ。
至らないところばかりで、申し訳ないです。