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10話対イカロス戦・前篇

気軽にお読み下さい。

「え?・・・・・・天使?」

 シルエットを見て呟く。

「違う。あいつは人間だよ。神に魂を売った奴だ」

「あははは、酷いな~」

 のんきな声をだしながらシルエットの男が煙からでてくる。

「・・・・・・っ・・・・・・!!」

 男を見て背筋が凍った。スーツを着た、羽のある人間。それだけでも気持ち悪いが何よりも気持ち悪いのは視線だ。まるで大蛇に睨まれているような感じになる。

「な、何ですか・・・・・・あれは?」

 横で愛が座り込む。・・・・・・やばい。足がふるえてきた。関空で天使と戦った時に無かった感情。恐怖。

「・・・・・・ライラ。二人を連れて逃げれるか?」

 大和さんが声音で問う。二人と言うのは俺と愛だろう。

「はい。大丈夫です」

「本当に大丈夫か?周りに人がいない所を見ると多分あいつがいるぞ」

 確かにこれだけの騒ぎがあって人が集まらないのはおかしい。しかしあいつとは誰だ?

「何とかします」

「おいおい、敵の前で作戦会議か?余裕だな」

 俺達の様子を見て笑う男。

「あいつは一体・・・・・・?」

「・・・・・・後で教える。今は逃げる事だけを考えろ」

 俺の問いに八神さんが声音で答える。

「ライラさん。出来たら弓弦達に連絡をしといてくれ」

「わかりました。・・・・・・御武運を」

「え?司令と八神さんは」

「誰があいつを足止めするんだよ」

 そう言い俺達の前に二人が立つ。

「適当な場所に転移させるから固まれ」

「そう簡単に行かせると思いますか?」

 男の翼が白から空色に変わる。そして後ろに下げ、

空をも切り裂く翼(スカイショット)

 羽ばたかせる。その瞬間、目の前の景色が変わった。



「・・・・・・わざとか」

「ありゃ、ばれたか」

 ぺろっと舌をだす男。彼の名は(あおい) (つばさ)。俺の親友だった男。

「さっきのは確実に俺が座標をだす方が遅かった。何故だ?」

「何故って言われてもね~」

「・・・・・・」

「あれ~怒ってる?でもその怒りはどの怒りだ?さっきの事でか?俺が裏切った事でか?それとも・・・・・・」

「あまり暴走はするんじゃないぞ」

「わかってますよ。司令」

 静かに答える。

「弥生先生を殺した事か?」

 一瞬で翼との距離をゼロにし、とりあえず殴る。



「さっきのは一体?」

 さっきまでの事を思い返す。

「そんなのは後です。逃げる事に集中してください!」

「いつまでも震えてないで行きますよ。野上君」

 さっきまで震えていた愛から言われるのはな~

「愛だってさっき震えながら座り込んでたじゃないか」

「え?いや、あれは、その」

 愛が顔を赤くする。かわええ~~~。は!いかんいかん。逃げる事に集中しないと。

「逃がさないよ~」

「!!!」

 声のした方を向く。そこには150㎝位の小柄な女と鎧の騎士がいた。

「・・・・・・まずいですね」

 ライラさんが苦い表情をしてつぶやく。

「・・・・・・というか転移する場所が悪すぎです八神さん」

「あいつら、一体なんなんですか?」

「・・・・・・神々の配下には幾つかの組織があるんです。その中の一つ、イカロス。構成員4人と小さい組織ですが、その一人一人が実力者なので危険度はSランクになります」

「丁寧に説明をどうも」

 小柄の女が笑顔で言う。

「さて、早速ですが死んでもらいまいしょうか」



「いきなり暴走してるじゃないか」

 敵を殴りつけた八神に言う。

「・・・・・・暴走してるつもりはないんですけどね」

 そう言いながら八神は殴った相手にいつの間にか手に持っていた銃を突きつけ、撃つ。しかし外す。いや、正確にはそこにいたはずの敵がいない。

「・・・・・・幻覚か」

 いつの間にか刺さっている紫色の羽を見て言う。

「ご名答~」

 建物の影から軽く拍手をして敵がでてくる。その敵の翼は紫色に変わっている。

幻惑の翼(トラップウイング)。この羽が刺さった相手は何分か幻惑に惑わされるんだけど・・・・・・やっぱりそのへんは元最強と4位なのかな」

「は!お前のメタ〇二なんて通じるかよ」

「いや、お前おもいっきり惑わされてなかったか?あとそっちには誰もいないぞ」

 数秒の沈黙。

「・・・・・・わかってたしー。何も無い所撃ったのわざとだしー。誰もいない所を見てたのもわざとだしー」」

 顔を赤くして刺さっていた紫色の羽をとりながら八神が言う。

「しかし、だいぶなめられたもんだね。今の状況、わかってるのかい?」

 周りの気温が急激に上がり始める。

「ん?もうだすのか?」

 顔を赤くしていた八神はそう言い、自分の周りの空間を曲げる。

「ああ、だからそのまま空間曲げといてよ」

 大地が乾き、周りに生い茂る草木は枯れ、燃え出す。

「一応ここ一帯の空間を隔離しといたからメラ〇ーマだしても大丈夫だぜ、司令官どの」

「そりゃ助かりますね」

 周りの歪んでいる景色を見て言う。

「おいおい、いきなりメラ〇ーマだすのかよ・・・・・・」

 敵はそう言いながら翼の色を水色に変える。

「さて、久しぶりの戦闘だ。お手柔らかに頼むよ?」

「それはこっちのせりふだよ」

 敵は苦笑いをし、言葉を返してくる。

「それじゃあ始めようか。残酷な殺し合いを」

 笑みを浮かべ、真上に第二の太陽を顕現させる。

  

10話見ていただきありがとうございます。

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