循環型社会
宇宙船地球号。
僕は社会人1年生。
大学時代はサークルに入った。
男女比が半々だったからか、寮制だったからか、彼女ができた。
彼女と僕は4年間、恋人としてかけがえのない時間を過ごした。
時には支え合い、傷つけ合った。
サークルの後輩やサークルの未来を育てた。
彼女とは4年の春に別れた。
別れることも自由。
お互いが一緒にいるメリットがなくなれば、
わざわざ無為に過ごすこともない。
社会人とは、自己管理ができなければいけない。らしい。
サークルには今年も元気な1年生が入ったようだ。
これで僕の責任は完遂した。
僕は社会人1年生。
会社に就職した。
会社は男女比が半々だったからか、寮生活だったからか、彼女ができた。
彼女を愛していたので、
余暇も、勤務中も、彼女と支え合い、時には喧嘩をし、そして結婚した。
そろそろ社会的なフムフムも考え、家庭を持つことにした。
かわいい子供も2人。彼女はしばらく職場を離れることとなった。
僕は家庭を守るために働く。責任を完遂するために働く。
そうして子供も大きくなり、彼女も復帰し、働くことになった。
会社がしっかりとしているため、仕事を辞めなくても子育てを充実できる。
僕の給料では厳しいので、彼女がいなければ家計は難しい。
しかし、この会社はきちんとしているので、二人でちょうど、少し贅沢ができるくらいだ。
家族四人。幸せな時間だ。
子供が大きくなり、僕も彼女も年をとった。
生きていくために、今では会社の裏方で仕事をしている。彼女も。
子供は別の子会社でアルバイトをしている。
子供も大学生になり、サークル活動に忙しいらしい。
お互い恋人もでき、幸せに毎日を過ごしていそうだ。
私たちも同じ、ささやかだが、何とも言えない幸せをかみしめている。
僕は社会人2年生。
両親が死んだのは、1年前。
最初は父親、後を追うように母親が逝った。
子会社で葬儀をあげた。
僕は両親と同じ会社に就職し、職場で彼女と出会い、結婚した。
妹も同じで、同じ会社に入り、同じように同僚と結婚した。
僕達には来年には新しい家族が増えているだろう。
彼女は職場を離れることになるが、僕の給料では心もとないので、
そのうち復職してもらうことになるだろう。
お互いが助け合うことで、家庭を築いていく。男女同権。会社のモットーだ。
社長は、両親の出たサークルの出身らしい。
家族を最も大切にすることをモットーにしている、良い会社だ。
大学のサークルからヒントを得て、この会社を立ち上げたらしい。
今では複合大企業である。衣食住、ゆりかごから墓場まで、何でも揃う。
ちなみに社長は独身らしい。
社長なら、きっといい奥さんが見つかるだろうに。
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