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星界の手記  作者: ハド
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プロローグ


天地創造


暗闇の中、女神と男神が出会った。空の女神は多くの星を産み、地の男神は空を支えた。星々は大地に力を与え、大地は星を輝かせた。

星々にはそれぞれひとつの心があり、星ごとに異なる力を大地に振りまく。

最後に生まれた「真実を司る星」(夜)と「希望を司る星」(昼)は父に懐いてそばから離れないが、仲が悪く、互いはいつも離れて動いている。末の「仲裁を司る星」(雨)は昼夜の間を行き来する。

大地に人間が生まれたとき、5つの星が輝きを増した。それぞれは「悲哀」「愛執」「強欲」「恐怖」「憤怒」を司る。

5つの星は、人間の時代がはじまり文明が栄えると次第に光を強めた。文明が栄華を極めたころ、5つの星は次第に光を弱めていった。

その日、人間の世界に星の化身が姿を表す。




人間の時代


人間が歴史を紡ぎ出して3000年が経った。(星暦3000年)

この世界には3つの大国が生まれていた。


■星教連合「イリュシオン」

統治機関:賢人会議、議員は各都市から市民の投票で選出される。

特徴:建国3000年の歴史を持ち、最大の人口を有する覇権国家。「法と知」を重んじ、国民から多様な意見を求め最適な国家運営を常に模索する。国民の社会保障は星教「ソフィアム」が担っており、国家宗教として公認している。現在の政治体制とは異なるが、かつて世界を統一していた国家。

・星教「ソフィアム」

星々を神として信仰する多神教、イリュシオンの実質的な首都「ロゴリス」(星都)に総本山を置く。

慈善事業を主な活動としている。イリュシオン建国時からの国家宗教。国民の安全網をすべて担っている。他国にも多くの信徒を抱える。

活動の具体例:貧民への小麦の配給・住居の提供、孤児院の運営、教育・医療の提供…

社会保障への取組は国庫から支出している。祈りの場としての「教会」は地域の有力者からの支援によって建設・運営されている。教会の司祭は国の機関で高度な教育を受けている。ソフィアムはその熱心な活動から、すべての国民から絶大な支持を受けている。


■神星帝国「アメンティア」

皇帝:ネフェ・ル・カラム(初代からの世襲)

特徴:資源大国(食料・鉱石)。皇帝による専制政治が代々行われている。税は主に軍事力・工業力に注力しており、高い造船技術を持ち、沿岸部には多数の軍事拠点を抱えている。学術研究も皇帝主導で行われており、最も星の研究が進められている国。初代皇帝はイリュシオンの元海軍大臣。かつて、星都から遠いアメンティアは政治的影響力が弱く不遇な条件で資源を搾取されていた。港湾都市アメンティア出身の初代皇帝は周辺領主を従えてイリュシオンに反乱を起こし独立に成功した。皇帝は「星の代理人」としての祭祀王の一面も持っている。皇帝は「真実を司る星」を信仰している。広い領土を持つアメンティアには多数の少数民族や異教を抱えており支配が行き届かない領域もあるが、皇帝の権威と圧倒的な軍事力(伝馬制)により内乱を未然に防いでいる。


■「ハツォール」諸島共和国

統治機関:元老院、島の首長と貴族によって構成される。

特徴:イリュシオンとアメンティアの中間の海にある諸島郡。2国間の貿易の中継地点として繁栄している。原住民は単一民族で構成されている。古くからこの地域の民は「希望を司る星」を信仰している。アメンティアの支援によりイリュシオンから独立した新興国家。安全保障はアメンティアの海軍力に大きく依存している。元老院では2つの大国の代理戦争が行われている。島には統一イリュシオン期の要塞が多数残されている。国内は海賊行為が多発しており、特にイシュリオン方面で大きな被害を受けている。古い要塞は海賊の拠点になっている。

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