【プロットタイプ】不可逆的マゾヒズム
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
ジャンル分かんないよぉ〜。
恋愛か? 歪んだ愛か? 愛なのか?
瑠衣と鏡花が結婚しても、存外関係というのは変わらないものである。強いて変わった事を上げるならば、私が二人の家に訪れる事になったことだろうか?
今日は自分の家で会合をする事になったので、諭羅が居る。彼は私達のネタ帳や、HPに目を通し、感想などを述べていく。其れから最近の流行りや傾向の愚痴を零す。
其れからじっと此方を見詰めた後、私達の方を見詰めてポツリと呟いた。
「……君達、相変わらず仲良しさんだねぇ」
「羨ましいの? ゆらりぃ」
「変われ、諭羅。この文鎮退かせ」
ヘラヘラと笑って諭羅に絡むと、椅子代わりの瑠衣がさも鬱陶しげに呟いた。
今の状態は一番真下にソファがあり、その上に瑠衣が乗り、さらにその膝の上に私が乗っている。三段構造の人間椅子は何かの小説の表紙の様に思えるだろう。
そんな苛立った様が面白くて、頬にキスを落とそうとすると、手刀が思い切り額にめり込んだ。その拍子にバランスを崩し、ソファから転げ落ちる。
「たくっ……。どうだ、最新作」
「悪くは無いと思う。けども鏡花に恋愛感情教わっているなら、もっと複雑かつ繊細に書いて。解析度が低い」
どうやら最近興味本位で書いてみた恋愛小説の感想を求めているらしい。けれども今のこの惨状を見て、諭羅の言った事が実行出来ているかは怪しいところである。
「こんなデリカシー無し男に分かるわけないじゃ〜……。踏むな、ぐりんなやっ」
立ち上がった瑠衣の足が私の腰を踏み付ける。一点集中という訳ではなく、背中やら尻、腿に至るまで、先程の腹癒せの如き扱いだった。
「瑠衣たんはむっつりさんなんだからァ〜。構って欲し……」
「この減らず口は顔面踏まなきゃ分かんねぇか」
「踏んだら君の足の指が消えちゃうぞぉ☆」
真上から見下す冷めた視線。其れに対して睨む事で抵抗する。やられてばかりの私では無いことは、瑠衣が一番よく知ってる。
「……夫婦円満の邪魔をしないように、私は帰るよ。鍵は掛けておくから、心配しないでね」
「あ、見捨てないで〜。ゆらりぃ。大魔王に囚われた姫を助けて〜」
そんな悲痛な私の声も届かず、諭羅はこの場を後にした。
床に突っ伏したままの私を敷物代わりに、瑠衣は私の腰に自分の臀を乗せる。世の中には『溺愛系』なんてジャンルが流行っているが、これが現実だ。夢は見るもんじゃない。
「鏡花、お前マゾだろ?」
「え〜……。瑠衣たんの嫌がる顔を見るのが好きなだけなんだけど〜」
私がだる絡みを続けるのも、眉間に皺が寄った瑠衣の顔を見るのが好きだから。だから蔑んだ目が好きというより、その内の心情に目を向けて、『心から嫌がっている』と認識するのが好きなのだ。もっと完膚なきまでに、荒し回りたい。
「サディズムはマゾヒズムの次の段階なんだが、お前見てると逆にしか思えねぇ」
「どいて」
「気が向いたらな」
そう言って、床に散らばった髪を弄びながら、暫くそうしていた。
読者様
秋暁は鏡花をどうしたいんですか?
作者
分かりません。
ただ『何やっても壊れる訳が無い』という謎な信頼があります。ギャグ時空の人間だと思ってます。
※もう壊れ切ってるし。これ以上、下はないし。
どっかの親子を思い出しました。
『世話の焼ける奴ダネ』
瑠衣は人間を総じて愛してますが、普段は自分の生き様を残すのに一緒懸命過ぎて、覚悟ガンギマリ、必死な人間以外は薄ぼんやり。
だからあんまり顔も名前も覚えません。
その中でも鏡花という生き物は中々に特別な立ち位置をしていると思います。
瑠衣は鏡花に恋愛感情はありません。
代わりに愛情は持ってると思います。普通の愛情もありそうですが、かなり歪んだものも相応にありそう。
鏡花以外の女性に暴力振るう姿が浮かびませんし、足裏であっても執拗に触るとも思えません。
なんかこう……無関心……。情念を感じない。
扱いはぞんざいの極みですが、当の本人である鏡花が本気で嫌がらないので、拒まないので、瑠衣も辞めるところは今のところありません。
やっぱどっかの親子だよ……。
まぁ歪んでいるのは、瑠衣だけじゃなく、鏡花も。
色々ぶっ壊れてますが、さらにその人格の一つ、『サドとマゾ』について。
最初に『サド』について。
この人格、当たり前に『人の嫌がる顔を見るのが好き』なんですよ。
だから瑠衣の『うわっ……( ・᷄ᯅ・᷅ )』みたいな顔を見るのが大好き。
でも果たしてそれは『マゾ』とどう違うのか。
人から嫌がられて、拒絶されて喜ぶのは、『マゾ』では無いのか。
だから考えついたのは、自分が嫌がせをした(サド)後に、悦楽を来る(マゾ)のでは無いか。
という瑠衣の考え。
決して可逆的なものでは無いのではないか。という事で、不可逆的。
『加虐的』と同じ読みしますね。日本語凄い。