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第8話「遠距離恋愛の壁」

 鳥羽くんは気持ちが沈むことが増えていく中で、就寝前に自室でとある調べ物もしていた。


 『そう言えば舞桜さん、メイドカフェで働き始めたんだったけ?』


 舞桜さんは小山 舞桜まおさんのことで中学時代すごく仲が良かった女性の友達。


 望月さんと付き合うようになってから連絡を取ることは激減し、今では舞桜さんから送られてくる一方的なメールのみ。


 舞桜さんは、高校卒業してからアルバイトを経て、ついにメイドカフェさくらでの就職を決めたらしい。


 本人のメールによると何気なく受けた面接の時にメイド長からの評価が良かったという。


 『メイドカフェさくらか。確か一軍の本拠地の近くに本店があって、支店もあったかな。一回行ってみようかな。このままじゃいい結果なんて出るわけないからな。』


 鳥羽くんは、その後もメイドカフェさくらについて30分ほど調べ続けていた。


 その後、鳥羽くんは自身のスマートフォンを手にとって久々に舞桜さんに手短なメッセージを返信する。


 『舞桜さん、お久しぶり!元気にしてる?メイドカフェさくらで働き始めたそうで一度どんな感じで働いてるか気になるから今度行ってみようかなと思うんだけど大丈夫?』 


 すると何故かすぐに本人から着信が入ったため鳥羽くんが慌てて応答する。


 「もしもし、鳥羽です!お久しぶり!」


 舞桜さんもすごく明るそうな声で鳥羽くんに返事をする。


 「お久しぶり!最近ぜんぜんメールの返信が無かったから何かあったのかなってずっと心配してたんだよ!たまには返信ちょうだいよね?」


 鳥羽くんは、ものすごく苦笑いしながら小さめの声でこう言う。


 「‥ごめんなさい。最近野球の練習とかが忙しくてメール出来る間が無かった。これから気をつけるよ。」


 ここで舞桜さんは、いきなり鳥羽くんに私との関係性について尋ねる。


 「頼むよ。そう言えば最近彼女さんはどうなの?上手く言ってる感じ?それとも遠距離になってつまづいてる感じ?」


 思わぬ質問内容に鳥羽くんは、ものすごく戸惑いながら小さな声で答えていく。


 「うーん。つまづいてるわけじゃないけど上手く言ってるわけでもないかな。どう言えば良いのか分からないけど遠距離の壁にぶち当たってる状況かな。」


 質問の答えに対して舞桜さんは何故か少し明るそうな声で鳥羽くんに返事をしてくる。


 「へーぇ。まぁ、遠距離恋愛ってけっこう難しいからね。でも鳥羽くんならきっと乗り越えられると思うよ。だって自分が選んだ道なんだから。鳥羽くんの中で後悔はないはずよ。」


 この時鳥羽くんの苦笑いが止まらなかった。

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