第4話「オーディションに向けて」
私はプロデューサーから仕事と恋愛の両立は難しいことを改めてアドバイスしてもらったためこれからどうすれば良いのか考え直すことにしていた。
そんな中、アイドル☆エッグの正式メンバー入りをかけたオーディション当日を迎え、お互い同期で候補生入りした栄川 望愛さんがあることを教えてくれる。
「望月さん、今日のオーディションだけど半分体力テストみたいな内容になってみたいだよ」
「‥体力テスト?アイドルのオーディションなのに?」
「うん。サインの早書きレースとか田んぼのくさ抜きレースとかあるってプロデューサーが言ってたから。」
オーディションの内容を聞いて私は、ものすごく疑問が頭の中で湧き出していた。
『サインの早書きレースはともかく、なぜ田んぼのくさ抜きレースがあるんだろう‥』
私は不思議そうにしながら栄川さんに質問する。
「あの、どうしてアイドルなのに田んぼのくさ抜きレースがあるんでしょうか?私、畑仕事は目指していませんけど‥」
すると栄川さんがものすごく苦笑いしながら丁寧に説明してくれる。
「だよね。望月さんの考えが普通だよ。でもね、田んぼのくさ抜きって体力も必要だし、バランス感覚も問われるの。アイドルも歌だけじゃなくて踊りもあるでしょ?その時にバランス感覚が悪いと長続きしない原因になるわけ。田んぼのくさ抜きってだいたい足元が悪いことが多いからちょうどテストに良いみたい。詳しいことは私も分からないけどね。」
私は、考えても仕方ないと思ったため気持ちを切り替えてそのオーディションに挑むことを決めた。
そしてプロデューサーがやってきてオーディションの内容について説明してくれる。
「望月さん、実はこのオーディションだけど一部のスタジアムでパブリックビューイングされることが決まった。緊張すると思うけど頑張って!」
この時私の頭の中で、スタジアムという言葉を聞いてまさか鳥羽くんがいるプロ野球チームのスタジアムでもパブリックビューイングされるのかなと思った。
そのため私は、プロデューサーにその事を直接確認する。
「あの、プロデューサー‥それって神戸スタジアムでもパブリックビューイングされたりしますか?」
すると坂本プロデューサーは、あっさりとこう言った。
「神戸スタジアムでもパブリックビューイングされるよ。だから一部のプロ野球選手もこの様子を見守ることになるわけだ。珍しいオーディションかもしれないけど、それだけアイドル☆エッグが注目されるって事だ。」




