第19話「裏切りの始まり」
舞桜さんは電話越しではあるが、密かに鼻で笑いながらこう言う。
「ふんっ。そうだったんだ。だけど鳥羽くんだいぶん精神的に病んでる感じだったよ。今こそリベンジの時って感じかな」
すると栄川さんが少し大きめの声で舞桜さんにこう言った。
「よっぽど小山さんって鳥羽くんの事が昔から好きなんだなって言うのが伝わってくるわ。これで三角関係に突入じゃないの?」
舞桜さんはものすごく冷静な感じでこう話す。
「三角関係ね。それはどうだろう。だってまだ望月さんが気づいてないから三角関係になりかけてる感じかなって舞桜は思ってるよ。ここからリベンジに燃えるつもりかな。」
ここで栄川さんは、以前に企んでいたことを思い出しながらこう思っていた。
『ここで私の計画を実行しちゃおうかな。今まで望月さんとは友達のふりをしてきたけど、このタイミングで小山さんとタッグを組めないか相談してみよう』
そしたら栄川さんは、舞桜さんに少し可愛くぶる感じでとある話を持ちかける。
「そうなんだね。良かったら私たちタッグを組まない?2人で力を合わせたら望月さんにつらい思いをさせることができると思うの。」
ここで舞桜さんは、少し不思議そうにしながら栄川さんに質問をする。
「どういうことかな?舞桜は望月さんから鳥羽くんを奪いたいという気持ちがあるよ。だけど栄川さんの考えが分からないんだけど。」
栄川さんは、電話越しですごく怪しそうな表情をしながら必死に自分の思いについて説明する。
「実は私、望月さんのことあまり好きじゃないの。一緒に正規メンバーになったんだけど、いっつも目立つのは私ではなく望月さんなの。私は特典会の時にものすごく可愛く振る舞っても半数以上のファンは望月さんに行っちゃうわけ。私は望月さんより日々、色んな努力をしてるのになかなか報われなくて辛いんだ。」
この話を聞いて舞桜さんは、状況整理しながら落ち着いて話していく。
「なるほど。状況整理していくと栄川さんは同じメンバーの望月さんの事を実は良いように思っていない。努力しても報われないからそこで何らかの復讐らしきものをしたい。舞桜は昔から好きな鳥羽くんを望月さんから奪いたいと。経緯は違えどお互い、望月さんを困らせたいというところは一致するわけだね。」
栄川さんは、少し嬉しそうな声で舞桜さんにこう言う。
「さすが小山さん。メイドカフェで色んな経験を積まれてるだけあって理解が早くて助かります。それで一緒にタッグを組まない?」
そして舞桜さんは、即答で返事をする。
「そういう事なら一緒にタッグを組みましょう。1人だと失敗するリスクが高いけど、2人で立ち向かえば成功する確率が上昇するからね!」
こうして2人は私の知らないところでタッグを組む件について交渉成立してしまったのであった。




