第14話「ご注文は私ですか?」
ちなみにメイドカフェさくらでは昔は1オーダー制でチャージ料金、つまり時間料金は不要であった。
最近は、チャージという名の時間制とカラオケ店みたいな会員システムを導入し、チャージとドリンク飲み放題込みで非会員は1時間1100円・会員は1時間660円と言うシステムになっている。
会員は手数料無料で書類1枚記入することで即日入会できる。
また会員になることでお手頃価格が実現し、さらにフード注文時は全品50円割引してもらえる。
さらに今のシステムになってから8日がつく日は、合計金額から8%割引してもらえるため、たくさん注文する方にとっては大変オトクと言っても良いかもしれない。
そのため今のシステムに一定の理解をしていただけるお客様は多いらしい。
鳥羽くんは、さっそくメニュー表をタッチパネルで確認し、オムライスを注文することにしたためさっそくテーブルに設置されてある呼び出しベルを押す。
少し駆け足状態で舞桜さんがやってきて笑顔でこう言った。
「ご注文は決まりましたでしょうか?ご主人様!もしかしてご注文は私ですか?」
鳥羽くんも少し笑顔になりながら注文内容をしっかりと伝えていく。
「それはちょっとこっちが恥ずかしいですよ。定番かもしれないけど、オムライスをひとつおねがいします。」
「かしこまりました!さっそく準備するので少しお待ちください!」
舞桜さんは、そう言ってから素早く厨房の方へ向かっていく。
その頃、私はまさか鳥羽くんがメイドカフェに行ってることは知るはずもなかったため、休憩時間に心の中で鳥羽くんのことを気にかけていた。
『なかなかあえなくてホントごめんね。だけど今はせっかくここまできてるから、このチャンスを逃したくないの。だからデートはもう少しだけ待ってほしいなぁ。』
私がそう思っていることは知るはずもない鳥羽くんは注文したオムライスが無事に届いていた。
その後、舞桜さんと萌え萌えタイムを満喫してから舞桜さんは小さな声で鳥羽くんに話しかける。
「ちょっとこんなこと聞いたらプライベートな話になるからダメなんだけど、彼女さんとは行き詰まってる感じ?」
鳥羽くんは、ものすごく苦笑いしながら小さな声で舞桜さんにこう話す。
「そうかな。決して順調とは言えないかな。この間、デートの話になったんだけどアイドル活動が忙しいみたいで。だから落ち着くまでデートするのは待ってほしいみたいなことを言われたんだ。気持ちは分かるけど、もうしばらくの間会えてないから。やっぱり正直なところ、さみしくて。」




