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第11話「光と影」

 私と鳥羽くんは、なかなか会えない日々が続き少しずつお互いの中で気持ちのズレが生じ始めている。


 私が鳥羽くんと電話してから1週間ほど私はアイドルのライブに出演することが増えていく。


 私と栄川さんのお披露目ライブからミニフェスに出演し、特典会でも私は注目してくれるファンがそれなりにいた。


 ミニフェスでのライブ後特典会では、30代くらいの男性ファンが一番前にやってくる。

 そしてチェキを撮影してからトークタイムの時に元気そうにこう言ってくれる。


 「お披露目会から気にかけていたんだけど、今日のライブはすごく良かったよ!良かったら一緒にチェキおねがいします。ちなみに自分はまふといいます。」


 まふさんから言ってもらえたことが嬉しくてすごく笑顔で本人と接する。


「ありがとうございます。もちろん一緒に撮りましょう!どんなポーズが宜しいでしょうか?」


 まふさんと一緒にチェキを撮り、他の人もいたため順番にチェキを撮ったりトークしたりした。


 この時、私はアイドルという仕事が少し好きに思えた瞬間でもあった。


 その頃、鳥羽くんはグラウンド内で気持ちが晴れない状態のまま、がむしゃらに投球練習を繰り返している。


 しかし鳥羽くんは険しい表情をしながらこうおもっていた。


 『球速は出てるのに、どうしてストライクが入らなくなったんだ?前までそこそこストライクゾーンにボールはきていたのに。このままだとますます二軍昇格から遠ざかってしまう!』


 すると鳥羽くんの投球練習の様子を密かに観察していた望月守投手コーチが話しかけてくれる。


 「ちょっと良いか。球速は一軍でも通用しそうだが、コントロールに難があるように感じた。それも前より乱れてるように感じたがプライベートで何かあったか?」


 「望月投手コーチ、お疲れ様です。ちょっと色々ありまして。」


 この時、望月守投手コーチは鳥羽くんのグローブとボールをそっと回収しながらこう言った。


 「一旦、練習は中断だ。こんなコンディションで投げ続けたって全くの無意味だ。近くの喫茶でその話を聞くから一緒について着て!」


 鳥羽くんは、さえない顔をしながらもしっかりと返事をした。 


 「あ、はい、分かりました。」


 グラウンドから最寄りの喫茶店である『もえのほっぺ』に徒歩で向かっていき、5分ほどで到着した。


 店内は意外と普通の喫茶店でクラッシク風の音楽が流れている。


 お互いソファに座ってから望月守投手コーチがさっそくズバッと尋ねてくる。


 「さっそくだが、ここは変化球ではなくストレートに言わせてもらう。原因は彼女さん?」

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