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第1話 社会人デビュー

俺、下田翔真(しもだしょうま)(27)は自慢ではないが小中高、友達が1人も居なかった。まぁ、陰キャだったしデブで学校でもラノベばっか読んでたから仕方ない。むしろ、クラスの陽キャグループがイジメて来なかったのが不思議なくらいだ。


勉強は正直言うと出来た。小さい頃からパソコンで海外のゲームばっかやってたのが良かったらしく英語はいつも学年トップクラス。国語系は小説を読んでいたこともあって割りと出来た。他の教科も大体8割は安定的に出来ていた。おかげで推薦で国立の大学に行けた。


大学でもデブでオタクで陰キャはヤバイと思ったので、ジムに通ってある程度は痩せた。痩せただけで、中身はオタクの陰キャだけど。そんな感じで大学も1人で卒業して、ちょっこと有名な会社に入社した。


そして、今年で入社4年目………


「キャー今日も下田さんクールでカッコいい!!!」

「無口だけど、イケメンだし身長も高いし、仕事も出来て最高!!!」



めっちゃモテてる。いや、自分でもびっくりするぐらい。なんでこうなったのかと言いますと。


就活のときに清潔感ないと駄目だと思って思いきって美容室行ったらとんでもなくカッコよくしてもらっちゃいました。そっからなんとか維持してます。


まぁ長年陰キャのプロやってたからぼっちなのは変わらないけど。


「おーう。ちょうどいいとこにいた下田!昨日頼んどいた資料なんだけどさあれもう出来てる?」

「………終わってます」

「流石!下田!お前に頼むと早く終わるからありがたい!そんなわけでこれも宜しく」

「………分かりました。」


このチャラい感じの人は上司の三島誠実(みしませいじ)。仕事を押しつけ……積極的に話しかけてくれる陽キャだ。責任感が強い人で口数の少ない俺のことを何度もカバーしてくれたのでそれなりに恩は感じている。まぁ絶対に言わないけど。


18時30分。

「……先輩。さっきの終わったので上がります。」

「ん?あ、サンキュー!お疲れさん!下田」


やるべき仕事はしっかりとやっているので基本的には定時帰り。今日は押し付けられたからちょっと残業。つーわけで今日も頑張った。さっさと帰ってこの前買ったモンスターを皆で倒すゲームやろ。まぁソロだけど。




---------



「あ、おはようございます!」

「おはよう、沙夜さん」



私、伊東沙夜(いとうさよ)(23)!入社2ヵ月の新米で分からないことが沢山ありますが日々自分なりに精一杯頑張ってます!


今、挨拶したのが島田恭華(しまだきょうか)さん。私の上司で、いつもお世話になっています!大人の女性って感じで凄く尊敬しています!



「沙夜さん、一昨日頼んだ資料出来た?」

「あ、一応出来たんですがちょっと分からないとこがありまして」

「うん。どこ?見せてみて」

「ありがとうございます!」

「いいよ。これで覚えてくれればいいから」



うわー。ホントにカッコいいし優しいし憧れちゃうなー。私にも後輩が出来たらこんな感じに教えられるかな。楽しみー!!!



「沙夜さん?沙夜さん!」

「うえっ!あ、はい!」

「今のちゃんと聞いてた?」

「え、あ、………すみません」

「もうーしっかりして。朝だから大変かもしんないけど仕事はきちんとね」

「はい。すみません」


また失敗しちゃった。頑張んないと。


ちなみにこんな私ですが、実はつい先日までいわゆる陰キャってやつでした。学生時代はオタクで地味にひっそり生活してました。ただ、社会人になったら明るくしないとと思いまして美容師の姉に頼んで社会人デビューさせてもらいました。会社では明るく、オタクということを隠して生きています。明るくしてくれた姉のためにも頑張って仕事して彼氏作ります!



18時30分

「恭華さん。終わりました!」

「あら、珍しく早いわね」

「私史上一番早いですぅ」

「うん。頑張ったね。今日はもう上がっていいよ。お疲れ様!」

「お疲れ様です!」



なんとか今日の仕事も終わりました。慣れない仕事なので入社してから残業じゃなかった日はありません。同期の子達は普通に定時で帰ってるので私が遅いんですけどね。とほほほ。


仕事はもちろん大変で疲れますけど、正直慣れない明るいキャラのほうが100倍疲れます。そもそも人と喋ることさえ苦手だったのでこんな明るいキャラ私じゃないみたいです。


さて、今日も1日頑張ったのでさっさと家に帰ってモンスターを皆で倒すゲームをやりましょうかね。もちろんソロですけど。



---------

翔真視点



バスの時間まであと10分あるし、一狩り行くかな。


そんな感じでぼんやりしてたら目の前から走ってくる女の子とぶつかってしまった。


「あ、いったぁ」

「すみません。大丈夫ですか?」

「あ、え、はい!大丈夫です。私の方こそすみません。忘れ物をして慌てて走ってて、ホントにすみません!」

「いえいえ、俺もぼーっと歩いてたので」

「あ、私のせいで荷物が!すみません、すぐ拾いますね!」

「いえ、大丈夫です気にしないで下さい」



ごめん。嘘。君よりゲームのほうが心配。液晶割れてないかな。大丈夫かな。



「え、これ……」

「あ……」


そこには誤って電源が着いた、3bsが。

忘れていた。昨日の夜モンスターを倒すゲームじゃなくて、所謂ギャルゲーをやっていたことを。



終わった。俺の社会人ライフ。





初めまして!兎と申します。不定期更新ではありますが、宜しくお願いします。


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